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「スロー、スロー! GO!!」東京マラソン“ペースメーカー遅すぎ問題”を当事者の上野裕一郎が説明「ケニア人同士で決めたのかわからないけど」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2026/03/30 06:01
東京マラソンでペースメーカーを務めた上野裕一郎(写真内先頭)。「ペーサー遅すぎ問題」から、自身はマラソンをしないのか、大迫傑への思いまでを語った
大迫はすごいな、カッコいいな
「カッコいいなって思いましたね。というか、半分どうかしていますよ(笑)。1回引退して、戻ってきて、孤独なトレーニングに耐えて、日本記録を更新したじゃないですか。それから3カ月という短いスパンで走って2時間5分台ですからね。普通だと、たぶん7分とか8分かかってもおかしくないのに、もうすごいなって思います」
34歳で日本のマラソンシーンのトップを走る大迫は、佐久長聖高の後輩でもあるが「大迫がギリギリ続けているので、自分もやめられない」と上野は言う。
「もしもロス五輪に大迫が出たら、その時は37歳になるんですよね。それはもう、とんでもないおじさんですよ(笑)。大迫は、10000mは『もう無理ですよ』って言っていたけど、彼なら27分台とか普通に出せると思うんですよ。
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でも、大迫の無理ですよのレベルは日本選手権に出るとか、日本でのレースで戦うとかではなく、世界で戦うというイメージだと思うんです。だから、もう10000mではなく、マラソンで世界と戦うことを求めている。そこが彼の基準になっている。ほんと、すごいなって思いますね」
体が動く限りペーサーはがんばりたい
同じ競技者として刺激をもらったという上野だが、東京マラソンでもペーサーとして高い評価を受けた。その上野のもとには、2026‐2027シーズンもマラソンのペースメーカーの依頼がすでに数件届いているという。
「ありがたいことです。ペーサーをした後、PB(自己ベスト)が出た選手から『ありがとうございました』と言われたり、出なかった選手からも『PB出なかったですが、途中まで本当に走りやすかったです。ありがとうございました』と声をかけられたりします。
みんな、レース後でキツいのにそう言って労ってくれる。彼らの感謝の言葉に救われます。ペーサーを職業にはできないですが、これからもやるからには最後に『ありがとう』と言ってもらえるようなペースメイクをしたい。体が動く限りがんばりたいと思っています(笑)」
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