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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「スミちゃん(隅田知一郎)に申し訳ない気持ちが…」WBC“3戦目から出番がなかった”坂本誠志郎の献身「目を充血させて他国を研究」取材者が見たウラ側
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/03/18 17:01
宮崎キャンプでの坂本誠志郎。ピッチクロック、ピッチコムへの対応と並行して、ライバル国の選手データを頭に叩き込んでいた
出番は少なくても…坂本誠志郎の“献身”
本音を言えば、もっと青色のヘルメットをかぶりたかったことだろう。それでも坂本は決して腐ることなく、チーム内の明るい雰囲気作りに腐心していた。
ベンチでは仲間と野球談議に花を咲かせ、時には大谷翔平を大笑いさせていた。イニング間はここぞとばかりに赤色のヘルメットを装着して、投球練習の相手役を買って出た。
そんな献身性の集合体が、侍ジャパンという代表チームなのである。
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現実は残酷だ。
日本は負けた。ベネズエラに力負けした。準々決勝での敗退は過去ワーストの成績。未来に向けて、すでに課題をあぶり出す作業が始まっている。
坂本にしても、出場試合数は野手で2番目に少ない「2」にとどまった。完全燃焼できたかと問われれば、素直に首を縦に振ることはなかなか難しいだろう。
それでも……。堂々と胸を張って、今度はNPBの舞台で思う存分、暴れ回ってほしい。
日本球界屈指の頭脳派捕手は2月の宮崎合宿に参加する前から、もっと言えばWBCメンバーに選出されるだいぶ前から、他国の強打者たちのデータを頭に叩き込んでいた。米国代表のアーロン・ジャッジにドミニカ共和国代表のフアン・ソト、ベネズエラ代表のロナルド・アクーニャJr.……。並みいるスラッガーの弱点をあぶり出そうと、毎日のように目を充血させていた。
「MLBの情報はSNSとかでもチェックできるので、ありがたいんですよ」
そんな風に声を弾ませていた2月上旬のワンシーンがすでに懐かしい。
激動の1カ月が幕を閉じた。
脳がパンクするのではないかと心配になるぐらいの地道な努力と、日の丸を背負う覚悟を少しばかり聞かせてもらっていた身としては、今はただ「本当にお疲れ様でした」という言葉しか思いつかない。
<前編とあわせてお読みください>

