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「イタリアが助け舟を出してくれた」WBC決勝進出でも…アメリカ監督に米メディアは苦言? 選手起用に批判も指揮官「各球団との取り決めが多くある」
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一野洋Hiroshi Ichino
photograph byJIJI PRESS
posted2026/03/17 06:00
WBCアメリカ代表を率いるマーク・デローサ監督。一次リーグでの「失言」や迷采配もあり国内メディアからも苦言が上がっているという
それだけにもし予選ラウンドで敗退していれば、それはアメリカ代表にとって「大きな汚点」になっていた可能性もある。そして迎えた準々決勝のカナダ戦。アメリカは5対3で勝利し、準決勝へ進出した。しかし『New York Post』は、この試合を次のように書き出している。
「少なくとも今のところデローサは助かった」
つまり勝利はしたが、批判が消えたわけではないというニュアンスだ。記事は続けてこう書く。
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「屈辱的な敗退は回避された」
アメリカは勝った。しかし、圧倒的だったわけではない。むしろ、危うく敗退していたチームが何とか生き延びた――そんな印象を残す試合だった。それでもつづく準決勝のドミニカ共和国戦も2-1と辛勝し、何とか決勝まで駒を進めて見せた。
アメリカにおけるWBCの“立ち位置”は?
ちなみにアメリカではそもそもWBCはどれほど注目されているのか。この点について、米で140年の歴史を誇る老舗メディア『The Sporting News』で編集長を務めるベンソン・テイラーはこう語る。
「アメリカでもWBCはかなり注目を集めています。スター選手が参加していることもあり、試合は主要ネットワークでプライムタイムに放送されています。アジア開催の試合は(時差の関係で)リアルタイムで追いにくいですが、大谷翔平の台湾戦での満塁ホームランはアメリカのSNSでもバズりました。
アメリカが決勝に進んだことで、国内でもより大きなスポーツイベントになると思います。仮にアメリカが決勝に進めなかったとしても、ドミニカ共和国や日本のようにスター選手が揃うカードになっていれば、アメリカでも十分大きな関心を集めるはずです。特にその試合がアメリカのゴールデンタイムに主要放送局で放送されるのであれば、なおさらです」
日本は準々決勝で敗れ、ベンソンが思うようなカードの実現とはならなかった。だが、WBCはアメリカにとっても一気に注目度が高まる大会になっている。そして、その中心にいるアメリカ代表は、苦しみながらも決勝進出を決めて見せた。
チームへの批判はあった。監督の失言もあった。
それでもアメリカは、まだこの大会の主役の座を譲っていない。今大会でアメリカが優勝すれば、WBCは野球の母国にとってもより無視できない舞台になるのかもしれない。

