テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平「本人が一番苦しかったと」村上宗隆サヨナラ打を初球ファウルで予感したワケ…試合後は「エンゼルス同僚にピース」〈WBC優勝舞台ウラ〉
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byDaniel Shirey/Getty Images
posted2026/03/14 11:03
2023年WBCメキシコ戦9回の大谷翔平。二塁打でチームを鼓舞する
世界一を目指して大谷が登板するためにも、まずはDHで出場予定の準決勝・メキシコ戦での勝利が不可欠。相手先発のサンドバルとグラウンドで再会し、「気をつけろよ。(キャンプ地の)アリゾナに行く準備はできているか」とお互いに笑顔で火花を散らした。「春先も最後にライブBPでサンディ(サンドバル)相手に(打席に)立った」と直球、スライダー、チェンジアップの球筋もインプット済み。決勝進出を導く一打のイメージはできている。
「ここから後は勝つだけ。勝つことで日本のファンの人たちは喜んでくれる」
こんなに自信たっぷりに話す大谷を見るのは初めてだった。
“ここからだぞ!”という気持ちで
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3月20日。侍ジャパンは準決勝でメキシコに逆転サヨナラ勝ちし、3大会ぶりとなる決勝に進出した。1点を追う9回無死一、二塁から5番の村上宗隆が中堅フェンス直撃の2点二塁打。不振の主砲が土壇場で試合をひっくり返し、2大会続けて涙をのんできた4強の壁を突破した。
この9回の攻撃で口火を切ったのが大谷だった。
1点を追う9回。先頭打者で救援右腕ジョバンニ・ガエゴスが投じた初球、高めチェンジアップを右中間に運び二塁打とした。「必ず塁に出るというのは自分自身では決めていた」。一塁を回る直前に「脱げそうだと思った」とヘルメットを脱ぎ捨て激走した。二塁に到達した大谷は、日本代表の三塁ベンチに向かって3度、両手を上げて大きく手招きするようなしぐさでナインを鼓舞した。
「“ここからだぞ!”という気持ちで塁にいた」
吉田正尚が四球で続き、村上の劇打を呼び込んだ。
“村上の初球ファウル”に大谷が感じていたこと
悩める村上について「本人が一番苦しかったと思う」と大谷。ただ、二塁塁上から初球のファウルを見て感じるものがあった。
「良い軌道で振れていた。初球からしっかりいく準備ができていた。打ってくれるんじゃないかなと思った」
試合序盤にはベンチで村上に助言。6回に左前打を放った時も、7回に四球を選んだ時も、奮起をあおるように、9回と同じしぐさで鼓舞した。その気迫が、最後の最後で、サヨナラ勝利につながった。

