テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平「本人が一番苦しかったと」村上宗隆サヨナラ打を初球ファウルで予感したワケ…試合後は「エンゼルス同僚にピース」〈WBC優勝舞台ウラ〉
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byDaniel Shirey/Getty Images
posted2026/03/14 11:03
2023年WBCメキシコ戦9回の大谷翔平。二塁打でチームを鼓舞する
音量計測アプリ「デシベルX」で測定すると、ベネズエラが逆転した5回裏にこの日最大110.2デシベルを計測。「ヘリコプターの近く」に例えられるほどの大音量にあたり、19日の選抜甲子園アルプス席で同じアプリにて計測された最大107.2デシベルを上回った。
英語と同じくらいスペイン語が飛び交うラテンの雰囲気あふれるマイアミ。きっとメキシコも大応援団がやってくる。西海岸で戦った過去のどの米国ラウンドとも違う、完全アウェーな空気が漂う予感がした。
決勝…中継ぎでいく準備はもちろんしたい
3月19日。準決勝・メキシコ戦前日。大谷の目は本気だった。練習後の球場通路のミックスゾーン。私が大谷に「決勝で投手として1%でも投げる可能性を自分の中で残していますか?」と問いかけると、その答えは予想を上回るものだった。
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「もちろん先発はないと思いますし、中継ぎでいく準備はもちろんしたいなと思っていますけど、そこは体調との相談というか。ここまで本当に球団(エンゼルス)にワガママを聞いてもらって、本当にいろいろと許容してやってもらっているところでもあるので。最後の最後ですし、あとは自分の体と相談しながら決めたいなと思っています」
強いインパクトを残したのはもちろん「中継ぎでいく準備はもちろんしたい」という言葉だ。私は驚きを隠せず、思わず「決勝という意味ですよね?」と聞き直した。
「決勝ですね。明日はきついというか十分に投げる投手もいますし。明日は問題なく計算通りいけば間違いなく勝てる試合かなと思います」
こんな自信たっぷりに話す大谷は初めてだった
その場にいた日本メディアはテレビ、新聞社含めて15人ほどだったが、全員が「大谷は必ず投げる」と感じたはずだ。エンゼルスからは当初「中5日の登板」に加え「先発のみ」の制限がかかり、フィル・ネビン監督も米国での登板を否定していたが、球団を説き伏せ、世界一を決める決戦での登板への強い意志が尊重されたのだ。

