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「バレーボールだけでなく、人生が充実している」ミラノ五輪も生観戦…日本代表・大塚達宣25歳が海外挑戦2年目に気づいた“一番の幸せ”
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byPA Images/AFLO
posted2026/03/13 11:04
2026年2月25日、クネオ戦でMVPに選出された大塚達宣(25歳)
「サッカーやバスケットといったゴール型のスポーツの中で、たぶんアイスホッケーは唯一ゴール裏を使うことができるスポーツだと思うんですけど、『こういうやり方もあるんやな』と面白かったです。ハマりました。あれからずっとアイスホッケーはテレビで見ていますし、ずっとオリンピックの映像を流しっぱなしにしています」
逆にミラノのホームゲームには、アイスホッケー代表で同窓の小山玲弥と山下栞が観戦に訪れた。大塚と並ぶと一際小柄な2人だが、大塚は「リンク内ではすごく大きく見えてカッコいいんですよ」とリスペクトが止まらなかった。
ただ、競技は違えど、オリンピック会場に足を踏み入れた際によみがえった感覚はなんとも言えないものだった。
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「あの会場に入った瞬間、パリの時の緊張感を思い出しました。やっぱりオリンピックという舞台は特別なもの。小さい頃から、オリンピックを目指したいとか言っていましたけど、いざ立ってみると、一番プレッシャーのかかる大会であるのは事実なので。
ここに立てないメンバーの分まで頑張らないといけないとか、そういう気持ちのほうが強い大会なので、僕は正直オリンピックは……。『憧れていたオリンピックに出られたぞ』という感覚より、日本を代表してやる責任だとか、そういうもののほうが強く感じました。だからアイスホッケーの会場に入った時も、『あーこの雰囲気……こんな感じやったな』って(苦笑)」
それほど五輪の重みを感じていたということ。ただ、この先の五輪の舞台でどう感じるかはわからない。パリ五輪後、大塚はそれまで以上に濃厚なシーズンを送ってきたからだ。
日本にいたら味わえない“刺激”
イタリアでのシーズンは、チーム内だけでなく自チーム外にも刺激があふれている。
国際舞台では、例えば昨年の世界選手権初戦で日本を破ったトルコの身長206cmのエース、ラマザン・マンディラーチといった新世代の突出した才能が大きなインパクトを与えているが、大塚にしてみればそれは日常だ。
「各国の若い選手は、ポッと出みたいなイメージがあるかもしれませんが、僕は昨季イタリアやヨーロッパチャンピオンズリーグでやって、そういう力のある選手が大勢いるというのはわかっていました。勢いのある若手というより、しっかり経験を積んで力をつけた、チームを勝たせる一人の選手という認識でした。そういう選手がトルコ代表などはコート上を占めている。
日本のリーグでやっていたら僕も『この選手、どんな選手なんやろ?』と思うかもしれませんが、こっちでやっているおかげで、いろんな選手を覚えることができています。マンディラーチもそうだし、(世界選手権)第3戦で対戦したリビアの(アフマド・)イクバイリもモデナのオポジットで、彼はいつも会ったら声をかけてくれる。昨季の最終戦がモデナ戦だったので、『世界選手権でやるの楽しみやな』って話をしていました」
イクバイリや、マリ出身でセリエAのヴェローナで活躍するノウモリ・ケイタといった叩き上げの選手たちからは特に逞しさを感じている。
「日本は自国のリーグがしっかりしているので、そこは僕たちのありがたいところだと思います。イタリアやポーランド、トルコなどもそうで、自国リーグが有名なところはやっぱり恵まれているなと感じます。
イクバイリやケイタといった選手たちは、力があっても、自国でバレーが盛んではないし、自国のナショナルチームがアフリカチャンピオンになるようなチームでもない。彼らは自分で、もっと強くなりたいとか、自分がチームを勝たせたいという思いでどんどん海外に出ていると思うので、ハングリー精神をすごく強く感じます。カナダとかも、自国にリーグがないのでみんな海外に出ている。そういう人たちと一緒にやっていると、『自分も頑張らないとな』とすごく刺激を受けます」



