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「10年後、20年後に…」木原龍一がじつは語っていた“壮大な夢”…「指導者不足」「シングルとの格差」りくりゅう以前、日本ペアが勝てなかった“2つの理由”
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2026/03/09 06:00
年間グランドスラムを達成した2024年世界選手権での三浦璃来と木原龍一
すでに木原が見据えていた「10年後、20年後」
ペアは、シングルのような形で憧れを持たれる選手がいなかった。それも選手層が極めて限られていた理由だ。当然、シングルのように資金が集まりやすくもない。その循環を変えるには、突破口となる誰かが出てくる必要があった。
木原にはその自覚があった。
2022-2023シーズン、グランプリファイナル、四大陸選手権、世界選手権のすべてで優勝する「年間グランドスラム」を日本フィギュアスケート界で初めて達成したあと、こう話している。
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「日本の次世代のペアが『挑戦してみよう』というきっかけになったら、今シーズン達成した年間グランドスラムが10年後、20年後に大きな意味が出てくるんじゃないかと思います。『日本のペアが変わった』という日が今日になったらいいなと願っています」
2024年12月の全日本選手権で、ペアは4組と多くの出場があったのを受けて、三浦は感慨深そうに語った。
「(ペアは)5年前は1組で表彰式や撮影だったので、感慨深かったですね。今回は(表彰台で)3組が一緒に並んだので」
三浦と木原の活躍の影響もあっただろう。
「いずれ自分たちが指導者に」りくりゅうの思い
こうして日本のペアに、自らの成績とともに変化をもたらしてきた2人は、ミラノ・コルティナ五輪の金メダルでさらに変化を加速させる契機をつくった。ペアへの一般の人々の認知度は飛躍的に高まったし、もっともっと、ペアに関心を持つ選手が増えるだろう。
自分たちで、さらに日本のペアを変えていきたいという使命感が消えることはない。だから「いつかは指導へ」という思いもある。
木原は言う。
「いずれ自分たちが日本で、ペアがどういうものなのかを指導できるようになることで、ペアが難しくなってしまう要因を一つ消せるかなと思います」
指導者がいないという競技環境の変化に意欲をみせる。
三浦も続く。
「私自身も木原選手のコーチングに助けていただいたので、助けたいと思います」

