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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
マラソンは「箱根駅伝の延長線上で走れるのか」問題 早大“山の名探偵”が東京マラソン挑戦で好走…監督は「2時間3分台を出せるポテンシャルがある」
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph by(L)Yuki Suenaga / (R)Nanae Suzuki
posted2026/03/07 06:01
箱根駅伝後も「マラソンに特化した練習はしていなかった」という早大の工藤慎作。学生ランナーのマラソンへの取り組み方にも変化が生まれている
多少はスケジュールに狂いが生じたものの、「今、ハーフマラソンを走ったら、60分を切れるぐらい」と花田監督が太鼓判を押すほど、工藤は本番に調子を合わせてきた。
大会前日のテクニカルミーティングでペースメーカーの設定タイムが、第1集団が1km2分53~54秒、第2集団が2分56~57秒、第3集団が2分58~59秒と決定した。工藤は、第2集団でレースを進めることに決めた。
「日本記録を目指すペースでチャレンジ」
第2集団の2分56~57秒ペースで走り切れば、2時間3分46秒から2時間4分29秒となる。つまりは日本記録(2時間4分55秒)を上回るペースだ。
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「最後すごく調子が上がってきたので、その調子の延長線上で、日本記録を目指すペースでどこまで行けるのかチャレンジしよう、ということになりました。30kmまで行けたら、悪くても8分以内では行けると思っていました」(花田監督)
思い切ったチャレンジではあったものの、決して無謀というわけではなかった。
しかし、本番ではペースメーカーがうまく機能せず、設定よりもだいぶ遅いペースでレースが進んだ。
東京マラソンの入りの5kmは下り基調なので、例年であればハイペースになりがちだが、工藤は14分53秒かかった。予定より10秒ほど遅い計算だ。だが、この不測の事態が功を奏したともいえる。
「第2集団は予定より遅かったですけど、工藤にとっては良い感じで余裕を持っていけたので、ちょうど良かったと思います。運も良かったのかな」
花田監督がこう振り返るように、工藤が36km過ぎまで日本人トップ争いに食らいつくことができたのは、“怪我の功名”と見ることもできた。

