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「今年は0点…表彰台を獲るつもりでいた」MotoGP開幕戦タイGPを5位フィニュッシュした小椋藍の自己評価がやけに厳しい理由とは
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遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2026/03/06 17:16
MotoGP2年目の開幕戦タイGPを5位でフィニッシュした小椋
──金曜日のプラクティスが終わったときに、これまでのMotoGPキャリアの中で一番良い状態で予選と決勝を迎えられそうだと言っていた。予選、スプリントも満足のいく結果ではなかったけれど、決勝の結果に余計がっかりしたのでは。
「そうですね。正直、スタートはうまくいっていたのに、後ろに下がってしまったので……」
──それがなければ、表彰台は行けた?
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「行けたというか、もう獲るつもりでいました。可能性は十分あると思っていたので……」
──チェッカーを受けた後、コースを1周してピットロードに入るとき、タンクカバーに突っ伏していた。猛暑の中でのレースに疲れ果てたのか、それとも悔しかったのか、どっちでしたか?
「もう、がっかりでした。本当に自分に……。久々にこんなにがっかりしました」
タイGPの舞台となるチャン・インターナショナル・サーキットは、藍がもっとも得意とするサーキットのひとつである。2024年シーズンには、ここでMoto2クラスのタイトル獲得を決めている。
得意とする理由のひとつは回り込むコーナーが少ないこと。ブレーキングから一気にバイクを寝かせ、コーナーを立ち上がる。こうしたレイアウトが藍の走りに合っている。そして「人より(アクセルを)開けない。人より開けないで同じラップタイムで走ることを心がけている」ことが、タイヤに厳しい熱帯の国タイGPで見事なタイヤマネジメントにつながっている。
表彰台を逃した要因
スプリントは気温33℃、決勝レースは35℃と猛暑が続いた。タイヤに厳しいコンディションになればなるほど、藍の丁寧なライディング──ブレーキングから立ち上がりまでタイヤを傷めない走り──が生きることになる。しかし、序盤にポジションを上げられなかったことが、念願のトップ3、初表彰台に届かなかった最大の要因となった。
今大会は、チームメートのラウル・フェルナンデスが、予選3位、スプリント3位、決勝3位の結果を残した。このリザルトを見てもグリッドがいかに大事なサーキットだったかということがうかがえる。フェルナンデスはQ2で一発の走りを決めてフロントローを獲得。そこから着実にスタートを決めて表彰台に乗った。

