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フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
名作「強くならなければと思いました。彼を支えたかった」三浦璃来の言葉に米メディアも感銘…“フィギュア大国”でも話題のりくりゅうペア「本当の強さ」
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byAsami Enomoto / JMPA
posted2026/03/03 17:07
ミラノ五輪で金メダルを獲得したりくりゅうペア。海外報を読み解くと、国内とは少し違った2人の評価が見えてきた
同記事ではまた、他国ペアの状況や復帰の背景も丁寧に書き込んでいた。
42歳で初の五輪出場となった2024世界選手権王者であるカナダのディアナ・ステラートデュデクや前回五輪王者で中国のスイ・ウェンジン/ハン・ツォンの復帰、さらにはアメリカ勢の事情にも触れている。
前出の『NBC』は2018年平昌五輪のアリオナ・サフチェンコ/ブルーノ・マッソ(ドイツ)の逆転劇にも言及している。
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ショートプログラムで4位と出遅れながら、フリーで5.80点差を覆した金メダルは長いキャリアと挫折の末にたどり着いた結実として語られた。
両記事で語られるのは、フィギュアスケートのペア種目は、完成された才能が突然頂点に立てる種目ではないという分析だ。パートナーの変更、国籍の移動、引退と復帰……時間をかけて関係を編み直す競技であるという理解が、アメリカの報道からは見て取れる。その文脈においてこそ、りくりゅうは世界一だったのだ。その部分は日本国内の情緒的な報じられ方とは少し異なるのかもしれない。
りくりゅうの快挙は“日本初”である。それと同時に、競技的な側面から見れば、ショートで崩れ、その失敗を機に役割を入れ替え、再び噛み合うという過程そのものがペアとしての組織の強さを表している。
りくりゅうの金メダルは単なる「美談」ではなく…?
彼らの金メダルは単なる美談ではなく、アメリカのメディアから見れば、長期的なプロジェクトの末に最も完成度が高いペアとなれたことこそが勝因なのだ。
2人が金メダルを獲得した瞬間は、歴史を塗り替えた一瞬である。
そこには確かに2人の強い“絆”の存在が見て取れた。それと同時に、アメリカメディアを読み解くと、揺れながらも壊れなかった「世界一の組織」が証明された夜でもあった。

