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「もうリリーフには戻らないぐらいの覚悟で」昨季守護神で復活したDeNA入江大生が先発に挑戦する理由と“新たな武器”「そろそろ爆発します!」
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石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2026/02/23 11:01
大きな手術を乗り越えて昨季は22セーブを記録した。今季は新スタイルで先発転向に挑戦する入江の表情は明るい
クローザー時代も「苦しかった」
過去5年を振り返れば、楽しいことよりも苦しいことの多いプロ生活だった。昨季のクローザー時代も、酸素が薄い場所にいるようだったと入江は吐露する。
「打たれればもちろん、抑えたら抑えたで苦しかったし、毎日球場に行くときも何か苦しかったんです。9回を投げているときは眠れなくて、朝方ようやく寝られたと思ったら、すぐ起きてトレーニングやケアでしたからね」
普段は明るくユーモアにあふれた入江ではあるが、そういう選手は得てして繊細さを持ち合わせているものだ。苦しさは、澱のように溜まっていった。
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だが今回の先発転向は、結果を求められる厳しいものではあるが、一方で状況を一変させる可能性が高いチャレンジでもある。入江は顔を上げて言うのだ。
「正直、長くやれる仕事ではないですし、せっかく好きで始めた野球なので苦しいよりは、絶対に楽しい方がいい、と思えるようになってきました。苦しみながらやっても意味はないので、真剣さを持ちながら楽しいフェーズに行きたいですね」
そろそろ爆発したいと思います!
果たしてどのような結果になるかまだわからないが、この覚悟の挑戦は入江の野球人生にとって大きなターニングポイントになりそうだ。
「まあ僕はずっと遅咲きなので、そろそろ爆発したいと思います!」
そう言うと、入江はようやく笑顔を見せた。
「チームとしてはリーグ優勝、日本一は当然ですけど、個人的には優勝したときに評価されるような、『入江がんばったな』って思われるようなシーズンを送りたいと思っています」
これまでクローザーをはじめ、ビハインドやロング、火消しまであらゆる経験をしてきた。残すは……。
「ええ、先発で結果を出すことですね。いろいろな状況で投げた経験を活かして、やっていけたらと思います」
入団時から「応援してくれる人を笑顔にしたい」と、誰よりも強く思ってきた入江の躍動やいかに。2026年シーズン、まっさらなマウンドに立ち、不退転の覚悟で勝負をするその雄姿に注目したい。

