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「むちゃくちゃ暑い中で走らされて」失意のJ2残留でも…オシム時代を思い出す“ジェフの覚醒”「オフに加入する選手が」48歳監督は何を改革したか
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田村修一Shuichi Tamura
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2026/02/26 17:01
17年ぶりJ1昇格を果たしたジェフ千葉だが、小林慶行監督体制の3年間で何が変わったのか
「僕がスタートするとき、このクラブの立ち位置と現状をまず考えました。10何年も『今年もJ1昇格はダメだった』と言ってきたけれど、本当はどうなんだろうと。クラブが抱える選手は予算に比例する。でも自分たちの予算はリーグでトップ5には入れない。たとえば町田や磐田、清水、横浜FCのようなクラブと、本気で戦って勝てる力があるのか。
過去の戦績を遡って見たとき、本気の目標とは何か。僕自身の中で明確で、チャレンジャーとして戦わなければいけない。それがアグレッシブなサッカーをやりたいひとつの要因になりました。
チャレンジャーは、強い相手よりも走って戦わなきゃ無理。そこから積み重ねていったのが1年目です。後半から勝つことができて、何とかプレーオフに滑り込んだ。2年目は期待値がぐんと上がった中で戦い始めましたが、最初の段階からしっくり来ていなかった。ふわっとしているというか、自分たちは泥臭く相手より走る、戦うことが表現できてないと感じていました」
選手のパフォーマンスは、僕自身の鏡
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――そうだったのですか?
「ただそれは選手が悪いのではなく、僕自身がチームにコンセプトを落とし込めていないからなんです。ピッチ上の選手のパフォーマンスは、僕自身の鏡だと思っています。大事なものが1年目後半よりも薄れていて、このままでは武器すら失って、ただのその辺のチームになってしまう。それだけは避けたかったので、武器をもう一回磨くぞという思いを込めて『尖る』という言葉を使い始めました」
――1、2年目から「尖る」という言葉を使ってきたわけですね。
「はい。このシーズンは7、8点取る試合がある一方で失点も多かった。取られた分は取り返せばいい。どんなチームが相手でも、強度で上回ろうとずっと戦ってきた。この武器で、どこまで勝負できるか。全ての相手を圧倒できればいいけど、清水や磐田、横浜FC、長崎、山形……そのようなチーム相手には、どこかでバランスを取らないと、それしか武器がないのが弱みになってしまう。そう感じたのが、2年目終了のタイミングでした」

