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フライングで“3カ月の出場停止”「アルバイトもしています」元西武・野田昇吾32歳が語る“ボートレーサーとしての今”「もうひとつ何かをつかめば…」
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/02/15 11:38
フライングにより約3カ月の斡旋停止(事実上の出場停止)処分を受けた野田昇吾。ボートレーサーとしての苦闘は続く
「自分を抑えきれなかった」痛恨のフライング
2025年10月6日のびわこ9レース。開催途中から斡旋され、0.06秒のフライングを切ってしまう。そして10月20日の宮島8レース。先のレースで2コースから勝利を収めていた野田は、1号艇でレースを迎える。ここを勝てば、準優勝戦に乗るチャンスも出てくる。絶対にイン逃げを決めたい。
だが、4号艇のベテラン・今村暢孝が前付けを敢行する。今村は生粋の“イン屋”(外枠からでも内側のコースに進入する選手)だ。1コースを譲る気はない野田が突っ張り、スタートまでの助走距離が短くなる。こうなると内側の艇は不利になる。なおさら完璧に近いスタートを切らなければいけない。
「前付けで100起こし(助走距離が100m)。一番何もできないのが、インでまくられてしまうこと。スタートはしっかり、と意識しすぎてしまった。(フライングには)マジで気をつけろ、とはいろんな人から言われていて、気をつけていたつもりだったんですけど……。成績が少しずつ上がってくると、どうしても準優勝戦に乗りたくなってきてしまう。自分を抑えきれなかったです」
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結果は、0.02秒のフライング。同一期(6カ月)のうちに2本目のフライングを切ってしまった野田はびわこでの1本目と合わせて、約3カ月の斡旋停止(事実上の出場停止)のペナルティを科されることになった。
「やっぱりスタートはもうちょっと試行錯誤しないと。これでいいと思っていた感覚が怖くなりました。信用していた部分もあったんですけど、2本フライングいっちゃったんで、やっぱ違うなって。もうその感覚では怖くていけないですね」
補足すると、ボートレースではフライングによって施行者が舟券の返還という不利益(売上減)を被り、投票するファンにとっても的中倍率の下落などのデメリットがあるため、選手が厳しい罰則を受ける制度となっている。
反省の弁を述べる野田の口ぶりは重い。
「何もできないので、正直もう落ち込んでるだけです。申し訳ないなって。でも、この期間をプラスにしないと。調子がよかったぶん、下手くそになるわけにはいかないので。練習に出られるときはしっかりやって、いろんな人のレースを見て、勉強するのが一番大事ですかね」

