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「1回締めていい?」フィギュア団体戦決起集会の夜…“りくりゅう”木原龍一がチーム・ジャパンにかけた言葉「俺は史上最強のメンバーだと…」
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野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto / JMPA
posted2026/02/10 17:04
フィギュア団体戦ペアのショート、フリーともに1位となり日本チームに20点を加算して銀メダル獲得の大貢献した“りくりゅう”木原龍一と三浦璃来
「やっぱりチーム・ジャパンの力になりたいって2人で話をしていたので、しっかり貢献できて良かったと思います」
三浦がそう喜ぶと、木原も納得の表情で答える。
「4年前は、2人のスピンのピッチがズレてしまって、それで僅差で4番だったんです。その悔しかった思い出があるので、今日はしっかり出来たと思います」
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その後、坂本がショート首位、鍵山もショート首位、フリーダンスは5位と、バトンを繋いでいく。迎えた団体戦3日目、木原はフリーの演技に向かう直前、トレーニングルームに到着した坂本に、こう言葉を投げた。
「ちゃんと、かおちゃんに良いバトン渡すからね」
フリーは、イタリアでの五輪にふさわしい勝負曲「グラディエーター」。ゆったりと滑り出した2人は、冒頭で高さのある3回転ツイストを決めると波に乗った。息のあった滑りと、高速スピードで移動していく雄大なリフト、そして躍動感溢れる演技。2人は場の空気を支配した。
最後は、木原が三浦を持ち上げ、高く掲げるフィニッシュ。シーズン初めに三浦が「ミラノでは(木原の)頭上でそのままガッツポーズしたい」と話していたとおり、三浦は天井を見上げながらガッツポーズを繰り返した。
「個人戦も大切ですが、団体戦も大切。120%の力を出し切りたいという気持ちでやりました」(木原)
「個人戦に向けて大きな一歩」(三浦)
ショート、フリーともに今季最高点での首位をマーク。最大の計20ポイントをチーム・ジャパンにもたらした。最終結果は、惜しくもアメリカと1ポイント差での銀メダルとなったが、やり抜いたすがすがしさが残った。
「みんなのため、みんなバトンを繋げるという目標でやってきました。みんなで掴み取った銀メダルがすごく嬉しいです」
三浦がそう語ると、木原も続ける。
「前回の北京五輪は、団体戦のメダルを取ることが目標だったんですけれど、今回は、一番良い色を狙いたいという気持ちで初めて臨むオリンピックでした。全員がベストを尽くして勝ち取ったこの銀メダルは、北京の時とは違う嬉しさを、皆も感じているんじゃないかなと思います」
そして2人は、気を引き締めるように言う。
「個人戦に向けて大きな一歩になりました」(三浦)
「この試合が、個人戦への大きな自信になりました」(木原)
2人が見つめるものはただ1つ。個人戦の頂点に向けて、再び一歩を踏み出した。



