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「たくさんの人が自分のTシャツを…」20歳で“競技経験ゼロ”からアメフト全米学生オールスターに!? ハワイ大・松澤寛政が語った「覚醒のワケ」
text by

北川直樹Naoki Kitagawa
photograph byハワイ大学提供
posted2026/02/10 06:00
2025年シーズンには96%という驚異的なキック成功率で全米学生オールスターにも複数選出された松澤寛政
実は2025年シーズンは、松澤の試合でのキック回数が前年比で倍近くまで増えた。つまり、チーム全体の成長がフィールドゴールを蹴る機会をもたらしてくれたのだと松澤は言う。
「2024年シーズンも普通に試合に出ていて、キックのトライ数自体はそれなりにあったんです。でも、今季は攻撃陣の活躍や、ディフェンスのターンオーバーの数が増えて仲間の活躍がチャンスを作ってくれました」
松澤が言うように、チームの戦力変化があったのは確かだろう。一方で、昨季は75%に過ぎなかったフィールドゴールの成功率が96%へと上がったことを説明するには、それだけでは足りない。松澤自身が決定的に変わった部分もある。
「外すはずがない距離」をなぜ失敗する?
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最大の要因は、2024年シーズン後に「メンタルトレーニングへの本格的な取り組みをはじめたこと」だという。その動機は明確だった。2024年シーズンに外したフィールドゴールは、すべてが30ヤード程度の短距離だったのだ。
「本当は全部決めないといけないものばかりでした」
実力的に考えれば、外すはずがない距離。換言すれば、決めるべきキックだ。それを外していた。そこには技術的な問題よりも、精神的な課題がある――それが松澤の結論だった。その悔しさが、メンタルトレーニングへの本格的な取り組みを決意させた。
「どうやったら試合中ポジティブでいられるか。マインドセットをしっかり持つことを見つめ直しました『各キックについて深く考えるのではなく、常に次の一本に集中する』というマインドの確立を意識しました」
松澤はメンタルトレーニングを始めてから、自身で決めたルーティーンを一度も崩さなかったという。シーズン中もオフシーズンも、毎日毎日、ひたすら同じプロセスを繰り返した。
「メンタルトレーニングを始めてからずっとです。シーズンでもそのルーティーンを継続しているという感じです」
その変化は、松澤のキックの精度に直結していった。

