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高梨沙羅「すごく幸せな気持ち」なぜ“13位でも笑顔”だったのか? 銅メダル・丸山希と“感動のハグ”までの舞台裏…ミラノ五輪で見えた“2人の絆”
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA
posted2026/02/08 17:00
2本目で渾身のジャンプを決めた丸山希と笑顔でハグする高梨沙羅
丸山が語っていた高梨沙羅「ずっと憧れていた先輩」
丸山は2021年10月、左膝前十字靱帯断裂をはじめとする大怪我を負い、選出されることが濃厚だった2022年北京五輪の日本代表入りを逃した。
その後、手術と懸命のリハビリを経て復帰したが、飛ぶことへの恐怖は容易に消えず、着地でしゃがみこむこともあった。大きな壁に突き当たりながら時間をかけて、さまざまな取り組みを経て克服し、今シーズン、ワールドカップ総合2位につけていることが象徴するように、飛躍した経緯がある。
それを知るからこその言葉だったが、この試合後に限らない。2023年2月、ワールドカップで伊藤が優勝し丸山がワールドカップで初めての表彰台となる2位、高梨が3位になったことがある。このときも丸山を祝福している。そして丸山も「ずっと憧れていた先輩と一緒に(表彰台に)乗れたことはうれしいことです」と心からの喜びを語っている。
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日本代表でのチームメイトとして、ともに励んできたこれまでがある。
高梨にとって、ミラノ・コルティナ五輪で最初の種目、ノーマルヒルのジャンプは決して本意ではないだろう。
「なかなか応援してくださる皆さまに楽しんでもらえるようなパフォーマンスはできなかったと思うんですけど」
「1本目はなかなか渋いジャンプになってしまったんですけど」
試合後の表情…高梨の悔しさもにじみ出ていた
前回の北京五輪ではノーマルヒルで表彰台に上がれず、迎えた混合団体では1本目のジャンプがスーツの規定違反とされ、チームはその影響もあり4位で終えることとなった。
一身に責任を感じた高梨は、競技人生の今後を思い、進退をも考えた。その中で、多くの人々の励ましや支えがあり、競技を続けていくと決意した。
そしてどうすればそれに応えられるかを思った。行き着く先は、1つだった。

