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大学では39年ぶり“たった一人の女子部員”に…《ジャンプ界の新ヒロイン》丸山希が「監督に3度の直談判」の中身は?「条件は、断トツで勝つこと」
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雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by明治大学体育会スキー部提供
posted2026/02/07 17:02
2017年に入学した明大では39年ぶりの女子部員となった丸山希。同期を含め部に女子選手はひとりだけだった
しかし、丸山本人は自分の進む道を早々にジャンプ一本と定めていた。2回目の「相談」は早くも6月の後半に訪れた。
「スペシャルジャンプでいきたいですという話は、確かそこではっきりと口にしたんだと思います。『ダメとは言わないけどもう少し考えろ、とりあえず夏を越してからもう1回気持ちを伝えにこい』とまだ結論は出さなかったんです」
3度目の直談判…ようやく「ジャンプ専任」に
当然のことながら丸山の決意は揺らぐことはなく、夏休みを終えると3回目の直談判があった。成田も首を縦に振った。それは単純に直訴の回数や時間の問題ではなかった。
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「希は泣き言を言わないんですよ。普通だったらこちらの考えたメニューを見た瞬間に、ああだこうだと文句をつけてくる。そういうことは一切なかったんです」
ジャンプの練習に比べれば、クロスカントリーのトレーニングは持久的なもので肉体的に辛い。それが嫌だから、というような単純な理由でないことは、丸山の練習に向かう態度を見れば明白だった。
ただ、成田は一つだけ条件を出した。1年生の終わりに丸山の地元、野沢温泉でインカレが開催されるため、そこで「断トツで勝つこと」を条件にした。
「そしたら、断トツで勝ちましたよ(笑)」
明大は二部ではあったが、ジャンプで勝ち、複合でもぶっちぎりで勝った。こうしてしっかりとカタをつけてジャンプの道に邁進するようになったのだった。
大学2年生、20歳となった丸山は、ついに本格化の時を迎えた。
7月の終わりに北海道の名寄で行われたサンピラー国体記念が一つの契機になった。出場選手中、唯一K点越えのジャンプを2本そろえて優勝。この結果を受けて夏の国際大会、サマーグランプリのメンバーに選ばれ、ロシアで行われた混合団体戦では髙梨沙羅らと一緒に優勝も経験した。
そのまま冬のW杯メンバーにも選ばれ、日本代表として海外を転戦し始めると、ようやく夢の舞台が現実的なものとしてとらえられるようになってきた。

