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豊昇龍と大の里の“金星配給が多すぎる”問題「1場所平均は千代の富士の4倍、白鵬の6倍以上」背景に“過密日程”「体はボロボロだったけど…」横綱の責務
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荒井太郎Taro Arai
photograph byJIJI PRESS
posted2026/02/06 17:01
ともに10勝5敗で初場所を終えた豊昇龍と大の里。両横綱が揃って3個の金星を配給した背景には、何があったのか
横綱同士の一番を制し、千秋楽に辛うじて勝ち星を2桁に乗せ、何とか面目を保つと「いろいろあった場所で気持ちが切れそうになったところもあったけど、しっかり最後まで取ると思っていたんで、それができてよかった」とここ最近の本場所では珍しく柔和な表情を見せたのは、逆に横綱としての苦悩ぶりがうかがえた。
多すぎる金星配給の背景に“過密日程”
大の里は横綱昇進以降、初の3連敗を喫した。11日目、霧島を会心の相撲で退け、4日ぶりの白星を挙げた際は「この3日間、情けない姿を見せてしまった。とりあえずホッとしました」と安堵した。その後は先場所痛めた左を使った強烈なおっつけで安青錦に完勝するなど、本来の力強さを取り戻した。
両横綱とも初場所は3個の金星を配給。豊昇龍は横綱在位6場所で通算13個、大の里も在位4場所で9個の金星をそれぞれ与え、1場所の平均は2個を上回る。1場所平均が0.31個の白鵬、0.48個の大鵬、0.49個の千代の富士、0.6個の朝青龍、0.8個の貴乃花、0.84個の北の湖と、優勝20回超の過去の横綱と比較すると現役横綱の数字は旗色が悪い。
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初場所千秋楽翌日、横綱審議委員会の定例会合が行われ、大島理森委員長は「体調不十分な中で15日間、最低基礎の責任を果たした」と一定の評価を与えたが、一方で「来場所は安青錦の壁になるくらいの形で頑張ってほしい」と奮起を促した。
横綱が世間から求められるハードルはとてつもなく高い。オフシーズンがない中、年6場所全てで優勝を争うほどの成績が求められ、場所と場所の間には年4回の長丁場にわたる巡業も行われる。昨今の相撲ブームもあって今は年間70日以上を数え、番付発表前日まで日程が詰まる過密ぶりで、ひところに比べて体調管理は難しくなったと言えるだろう。

