テニスPRESSBACK NUMBER
「あなたはわかってない!」大坂なおみ物議の“カモン問題”は何が悪かった? 超独創的ファッション、結局棄権…「お騒がせ」でも全豪にかけた思い
text by

山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2026/02/05 11:02
今季四大大会初戦の全豪オープンにド派手なウェアで登場した大坂。だが不本意な騒動の末に棄権となってしまった。彼女の全豪にかけた思いとは?
いつもより熱が入ってしまった「カモン」は、ダベンポートが指摘した通り1回戦でも、2回戦でもチルステアが指摘する前にも何度か発している。しかし、過去の大会の映像では目立ったシーンは確認できない。長年の習慣でないなら止めることはさほど困難ではないと思われるが、なぜか30年以上も前の事例をふと思い出した。
ショットの際の唸り声の元祖ともいえるモニカ・セレスだ。92年のウィンブルドンの準決勝で破ったナブラチロワに執拗に抗議され、マスコミにも叩かれたことで、ライバルのシュテフィ・グラフとの決勝では声を封印したが、結果敗れた。当時18歳のセレスにとって7度目のグランドスラム進出で初の黒星だった。引き合いに出すのは筋違いかもしれないが、自己の流儀が否定されることには重い意味がある。
結局負傷で棄権も、テニス自体は復調している
だからこそ次戦が注目されたが、大坂は3回戦を試合当日になって棄権した。左脇腹のケガだという。ナイトセッションに組まれていた地元オーストラリアのマディソン・イングリスとの一戦の消滅に、失望が広がった。このように棄権するときやたとえばコーチとの契約を切るときも、いつも唐突な印象を与えるのがまた大坂流で、だから余計な憶測を抱かせる。しかし、思えば2回戦の途中でも一度コートの外へ出て治療を受けた事実は前兆としてあった。
ADVERTISEMENT
大坂が早々に去ったメルボルンでは、世界ランク1位のアリーナ・サバレンカと5位のエレナ・ルバキナが決勝を戦い、ルバキナが2022年ウィンブルドンに次ぐ2度目のグランドスラム制覇を果たした。
大坂はルバキナとは一度も対戦したことがなく、サバレンカとも、大坂が初優勝した2018年の全米で一度対戦したきりだ。今季のなおみ劇場の続きは、“本流”の中でもっと見たい。ケガさえなければ、テニスはもうそれが可能なレベルに復調しているのだから。


