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「アメリカ大陸開催のW杯でヨーロッパは優勝できない」ドイツはいかにして“W杯のジンクス”を覆したのか…「自分たちのスタイルにこだわったら負ける」
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木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byEtsuo Hara & Takuya Sugiyama/JMPA
posted2026/02/05 17:01
2014年W杯の準決勝で開催国のブラジルを7-1の大差で下したドイツが4度目のW杯制覇を遂げた
レーブは'04年にドイツ代表のコーチに就任すると守備を整備し、'06年W杯後に監督に昇格。カウンターを磨き上げてユーロ2008で準優勝し、'10年W杯で3位になった。そこから速いパス回しに着手し、まるでスペインのような攻撃的チームをつくり上げた。
しかし、パスで相手を押し込み、ボールを失ったらすぐにゲーゲンプレスをかけるようなサッカーを、酷暑の下で続けられるかは未知数で、試合を重ねるにつれ疲弊するリスクがあった。
レーブはジーゲンタラーから助言を受け、プレスをかけすぎないことを決めた。攻撃では主体的にパスをつなぐものの、守備ではリトリートする方針に切り替えたのである。
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自分たちのサッカーができないことを考慮し、セットプレーの練習時間を大幅に増やした。選手たちを2グループに分け、アイデアを出させるという取り組みも行なった。セットプレーを重視してこなかったレーブにとって大きな方針転換である。
突出していたドイツの大胆な計画力
また、キャンプ地選びも常識を覆した。
当初はブラジル南東部に位置するサンパウロ近郊を検討し、日本代表がキャンプ地にしたイトゥも候補のひとつにしていた。だが、抽選の結果、グループステージの試合会場が気温の高い北東部の3都市になったことを受けて変更を即断する。
適切なホテルがなかなか見つからなかったが、ドイツの起業家がその3都市からほど近いサント・アンドレの海岸沿いにリゾートホテルを建設しようとしているという情報が飛び込んでくる。大会までに完成するか未知数だったが、ドイツサッカー協会はリスクを取ってそこをキャンプ地に選んだ。協会はさまざまな要望を出し、オーダーメイドの拠点を得ることに成功した。
喧騒から離れてプライベートビーチでリラックスできる空間が、大会中の選手たちに大きな力を与えることになる。
この大会においてドイツの計画力は突出していた。選手起用に関しても、大胆な温存を実行する。
【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内「グループステージは準備」2014年ブラジルの地でドイツ代表をゾーンに導いた名将レーブの“緻密な計画”と“非常な決断”「監督の仕事はなんてくそったれなんだ」で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。
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