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大学野球PRESSBACK NUMBER
“超無名の高校生→阪神ドラ3指名”を育てた国立大野球部のナゾを追う…「筑波だから今の自分がある」19年ぶりリーグ制覇を生んだ組織論「でも…最後は根性」
text by

清水岳志Takeshi Shimizu
photograph bySankei Shimbun
posted2026/02/02 11:00
阪神からドラフト3位指名を受けた筑波大の岡城快生。高校時代は全くの無名選手だった
「川村先生は、最後は根性系の野球をするんですよ。気持ちなんですよ、って。データはしょせんデータなんだって(笑)」
野球は数字や机上の理論だけでは成長しない。生身の人間が1対1で相対して熱を発してこそ、上達して勝利をつかむことができる。
東條が川村監督から言われて腑に落ちた教えがあるという。
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「すべての選手に当てはまる打ち方なんてない。骨格、筋量によって各自の可動域があって、それに合った型を考えていくのが指導者ですよと。いいスイングはある程度解明されているけど、決まったものはない。めちゃくちゃなスイングでも投球軌道にハマれば打てる」
つまり、バッティングフォームは様々、ということが根本で、それは技術論だけにとどまらず、筑波大は多様な人種がいて、その集合体ということだ。
野球推薦は3人ほど…多くは普通の公立校出身
東京六大学や東都の私立のように甲子園で活躍した球児が多く入学するわけではない。
野球部の推薦は3人ほどだという。150人の内訳は甲子園の常連校出身者もいるが、普通の公立高校の選手が多い。お互いに磨かれ化学反応を起こして高みを目指していく。例年にもれず、昨秋も多彩な選手が成果をもたらして優勝を果たした。
岡城が筑波のいいところをこう、話す。
「いろんな考えを持っている人がいて、技術の習得で言うと自分に合った方法を選べる。こっちじゃなくてこっちだなと」
東條が付け加える。
「一番に、学生の質がめちゃくちゃいいですね。不思議なのは川村先生が忙しい方で、グラウンドにいることが少なくて放置しているのに、まじめな組織に育つんです。学生が悪さをしないし、みんなが頑張るところを持っている。居場所がないという人がいない」
岡城が筑波独特の学生主体の組織作りを説明する。

