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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
まさかの「原晋監督の指示をスルー」のワケは? 青学大4区“シン・MVP”平松享祐が振り返るスクランブル箱根駅伝「原監督にはサプライズになった」
text by

別府響Hibiki Beppu
photograph byYuki Suenaga
posted2026/01/07 17:01
急遽の出走にもかかわらず4区で区間3位と好走した青学大の平松享祐。監督の指示をあえてスルーした英断が大逆転を生んだ
と同時に、ある意味でそんな展開だったからこそ開き直れたのだという。
「あの位置で来たからこそ、自分はどんな走りをしてもいいんだなという風に思えたんです。正直、往路優勝はもう諦めていました。ただ、復路のメンバーも強いので、自分が諦めなければどこかで抜いてくれると信じていました。まさか直後の5区で先頭まで抜いてくるとは思わなかったですけど……(笑)。
これまでは大きな大会では『レースで外さないように』と消極的な走りというか、守りに入るようなレースばっかりだったんです。でも、この日はもう前を追うしかなかったので、自分の力を100%出すことだけに集中していました」
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結果的に平松は5km以降もペースを落とさず、往路の主要区間である4区を3人抜きの区間3位で走り切った。5位でタスキを渡された黒田がその後、驚異の走りでチームを往路優勝に導いたのは周知の通りである。
ただ、もちろん黒田の走りは衝撃的ではあったが、これまでの実績や上り適性の高さは関係者の間ではよく知られてもいた。その更新度合はともかくとして、区間新記録レベルで走るであろうことは、ある程度織り込み済みでもあった。
「11番手の選手」が主要区間で区間3位の衝撃
一方で、平松である。
これまで一度も学生三大駅伝で出走経験のない「チーム内で11番手」のはずの選手が、往路の主要区間である4区を区間上位で走り切ったのだ。
ひょっとするとその衝撃は、ライバルチームからすれば黒田以上だったかもしれない。

