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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝「また2番か、僕らしいな」ある駒澤大4年生“最後の1年”…好調、故障、復活、無念の総合6位「終わったら一回遊んでみたかったけど」
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2026/01/06 11:02
箱根で3度、山を下った駒澤大4年・伊藤蒼唯。1年時こそ総合優勝したが、それから最後の箱根まですべて青学大に優勝を奪われることになった
全日本で伊藤は5区を担い、この区間でトップを走っていた中央大を逆転、首位に躍り出る快走を見せた。4区の安原海晴(3年)が4位に落とした借金を消し、逆に貯金を作って6区を走る後輩の村上響(3年)にいい流れで襷を渡した。
村上は「うしろには圭汰さんがいますし、前の伊藤さんがトップで来てくれたので自分は余裕を持って走れました」とレース後、語った。出雲の反省を活かし、伊藤は後輩に余裕と勇気を与える走りで、勝負どころで勝ちを掴みにいく強さを見せた。
その走りに伊藤は、「練習の成果ですね」と、笑顔を見せた。
地道な成長を重ねてきた伊藤
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伊藤は、地道に練習を重ねてきて強くなった選手でもある。6月に怪我をする前はGgoatの練習に参加していた。大八木弘明・駒澤大総監督が指導するチームで、田澤廉(トヨタ)、鈴木芽吹(トヨタ)、篠原倖太朗(富士通)ら、駒澤大OBかつ、日本のトップクラスの選手が所属している。鈴木は11月の八王子ロングディスタンス10000mで27分05秒92の日本記録を樹立した。
自分よりも格上の選手ばかりのなか、スピード練習に必死に食らいついていくと、以前はできなかった設定でも練習をこなせるようになり、レースでビビることがなくなった。実際、ゴールデンゲームズin延岡で自己ベストを出すなど、走力がついたことを実感した。
「3年の時とはレースでの余裕度もスピードもかなり違いますね。例えば、レースがハイペースになったり、ペースの上げ下げが激しくなったり、どんな展開になってもあまり動じずに流れにゆだねて走れるようになりました。駅伝では、僕が任される区間は単独走が多いのですが、そこで自分だけでハイペースで押していけるようになったので、本当に力が付いたなと思います」
自分のなかにある限界値を向上させることができたので、自分が思い描くレースペースを実現できるようになり、ギリギリまで攻められるようになった。その能力を研ぎ澄ませていけば、社会人になってもさらに成長できるだろう。


