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朝倉未来「意識が飛んでた」頭蓋骨で瓦割りをするように…“恐怖のパウンド連打”シェイドゥラエフ「簡単な試合だった」痛感した“強さの質”の違い
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布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2026/01/05 11:01
バックマウントをとり、朝倉未来に強烈なパウンドを打ち下ろすラジャブアリ・シェイドゥラエフ
シェイドゥラエフの“強さの質”の違い
手術に踏み切れば、ドクターから「半年間は格闘技ができない」と宣告されたという。朝倉は自身のYouTubeで「やることはやってきた。ただただ相手が強かった」と潔く完敗を認める一方、気丈に振る舞うことも忘れなかった。
「俺は自分のこと、強いと思っているので。あんな負け方をしたけど。まだやる相手がいるんだったら、来年(26年)復帰したいと思っています」
プロのファイターである以上、「自分は強い」という気持ちを持ち続けることは重要だ。そもそも自信がなければ闘いの舞台に立つことなどできない。あれほどの負け方をした直後でもそう言い切れるところに、朝倉らしさを感じた。
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ただ、同時にこうも思う。シェイドゥラエフが見せた強さと、朝倉が語る強さを、同質のものとして捉えることは難しい、と。RIZINは10年という歴史の中で、本来シンプルであるはずの「強さ」の見せ方が、必要以上に複雑になったような気がしてならない。
先日、UFCで日本人ファイターとして最多勝利記録(14勝)を持つ岡見勇信と、元K-1ファイターの武蔵の対談の司会を行う機会があった。岡見が初めてハワイでアンデウソン・シウバと闘ったとき(2006年1月/結果はアンデウソンの反則負け)のエピソードが印象深かった。
「グラウンドで僕が下になって、アンデウソンがその周りをピョンピョン飛び跳ねるという攻防があったんですよ。その光景が忘れられない。ピョンピョン飛びながら、俺を喰いに来ていると思った。あのときのアンデウソンは獣に見えた。人間ではなかった」
岡見の語るアンデウソンと、朝倉を圧倒するシェイドゥラエフの姿が重なり合った。すでに彼のニックネームは“キルギスの犬鷲”となっているが、まさに動物的な、生物としての強さをまざまざと見せつけられた。

