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ウルフアロン29歳はデビュー戦でEVILに勝てるのか? 大物のプロレス初戦「北尾光司も小川直也も勝った」カメラマンの大胆予想「勝敗を聞かれたら…」
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原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/12/29 17:04
東京五輪柔道100キロ級金メダリストのウルフアロンは1月4日、新日本プロレス東京ドーム大会でデビューする。試合は当日、テレビ朝日系の地上波で放送される
6月の入団記者会見の時は「10キロくらい絞る」と発言していたが、裸になるとそんなに絞った感じはない。厚みがある。見た目は120キロ前後だ。
ウルフとリングで軽く動いた棚橋が言った。
「基本的な動きはできているんで」
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通常なら対戦相手だけを見ていればいい。だが、EVILの場合は、“拷問の館”という名のユニット、HOUSE OF TORTURE(HOT)の介入は必至だ。高橋裕二郎、SHO、成田蓮、ディック東郷、金丸義信、DOUKI、ドン・ファレらが手出しをしてくるだろう。1人で7、8人を相手にすることになるから厄介だ。
「ケンカを売ったことを後悔させてやる」自信満々のEVIL
ウルフは意外と周りを見ている。公開練習には15人ほどのカメラマンが来ていたが、リングサイドの新聞社のカメラマンを指して「レンズ割れている」と言った。細かいところに気づくなあ、と思った。白いヒゲを生やした私には「この時期はサンタクロースは忙しいでしょう」と振ってきた。
デビューする選手と引退する選手の顔合わせ。ウルフはリクエストに応えて柔道で得意にしていた大内刈りのポーズを取ったが、棚橋は「投げないで、投げたら減俸」と笑った。実際に投げられた若手は一発KOだった。
「棚橋さんとは今年の1月4日に初めて会った。試合をしたかった、というのが本音だが、初めて組ましてもらった経験をしっかりと生かしていきたい」
「いまだに東京オリンピックを引きずっている男」とウルフは笑う。
11月4日にテレビ朝日で行われた記者会見では、EVILがNEVER無差別級王座のベルトをスプレーで金色に染めると、ウルフが本物の金メダルをポケットから取り出すやり取りもあった。
「プロレスは好きだけれど、ダーティーファイトはリスペクトの対象ではない」とウルフは言った。
「オマエはベルトよりオリンピックの金メダルの方が上だと思っているんだろう。この売名野郎が。オレが勝ったらオリンピックの金メダリストよりEVILのほうが上だってことだからな。オレにケンカを売ったことを後悔させてやるからな」
EVILは自信たっぷりだ。



