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佐々木麟太郎「一本釣り」確信のはずが…ドラフト衝撃の競合指名“全ウラ側”ソフトバンクの周到な戦略と現場でわかった「意外な新事実」―2025年下半期読まれた記事
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2025/12/28 06:01
佐々木麟太郎に1位で競合指名という特大サプライズがあったドラフト会議。釣り好きで知られる城島CBOは「一本釣り」ならずも当たりくじを釣り上げて満面の笑み
では、佐々木が従来の「即メジャー」から方向転換し、日本球界でプレーする可能性はどのくらいあると見積もっているのか。現役時代にシアトル・マリナーズでプレーした城島CBOは、「メジャーのドラフトとの兼ね合いになる」と前置きしながらも「(可能性は0ではない?)もちろん! 0どころか、来てくれると信じています。最も彼のパフォーマンスを発揮できるのはうちのチームだし、一番活躍できると思って指名している」と期待を示す。
綿密な現地調査をしていたソフトバンク
ソフトバンクは佐々木がスタンフォード大に進学した2024年以降、現地で綿密な調査を続けてきたという。在米スカウトのみならず、球団の編成トップが何度も渡米して視察。周辺ともコミュニケーションをとり、佐々木本人の意向も独自に探った。
「調査に関しては、12球団でも一番してきたという自負はある。何度もリーグ戦を見させてもらいましたし、色々なところから情報を集めて彼の人となりや性格面も調査しました。その中で、彼がもしNPBを選択してくれた時にうちでやってもらえるイメージがついたというところです」(永井編成育成本部長)
実は「12球団、指名はOK」だったが
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実はドラフト会議に先駆け佐々木側から、12球団には「MLBのドラフトが第1希望ではあるが、指名はしてもらって構わない」という趣旨の意向は伝えられていたという。
佐々木のリストアップを公表していた東京ヤクルトスワローズは、最終的に1位指名は回避し法大・松下歩叶内野手を単独指名。来季から編成トップに昇格する青木宣親・GM特別補佐のメジャー時代のネットワークなどから、佐々木が来年のMLBドラフトで好条件で指名される可能性が高いという情報を入手しており、リスクの高い指名よりもチーム再建へ、着実に戦力アップできる選択をしたという。

