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広岡達朗の長女が重要証言「あんな偏食家はいません」じつは『タブチくん』も読んでいた“やさしいパパ”の素顔「あえてヒールのようにふるまった」―2025年下半期読まれた記事
text by

長谷川晶一Shoichi Hasegawa
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2025/12/24 11:00
「厳格」「冷徹」といったイメージで語られがちな名将・広岡達朗。長女の祥子さんが明かす父の素顔とは
「あえてヒールのようにふるまった」父への敬意
「スポーツ新聞などを読むと、父は完全なヒールですよね。いつも長嶋さんやジャイアンツに対する敵役として描かれています。だから、ジャイアンツと優勝争いをしていたときなど、よく自宅に変な電話がかかってきました。電話に出ても、“今年は巨人が優勝だよ”とひと言だけでガチャンと切られたこともあったし、“お宅のおてんば娘、外を出歩くときには気をつけた方がいいぞ”と言われたこともありました。《おてんば娘》って、間違いなく私のことですよね」
当時の選手名鑑には、自宅住所や電話番号、家族構成が掲載されているのは当たり前のことだった。それでも、祥子さんの口調は明るい。
「でも、それは仕方のないことですよね。やっぱり、ジャイアンツは人気がすごかったし、長嶋さんや王さんは絶対的な人気者でしたから。だから父も、少しでもヤクルトのことを取り上げてもらえるように、あえてヒールのようにふるまったのだと思うし、スポーツ紙の記者さんたちも、自分の原稿が大きく掲載されるように、父を悪者にして記事を書いていたんだと思います。それはお互いに仕事として割り切っていたんだと思います」
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父への愛情、そして敬意がよく伝わってくるやり取りが続いた。
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