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広岡達朗の強烈ジョーク「私にできないのは妊娠と出産だけだ」まさかの下ネタも…“厳格な名将”の意外な素顔「夫人の介護に励みながら台所に立ち…」 

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長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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photograph bySankei Shimbun

posted2025/12/04 11:00

広岡達朗の強烈ジョーク「私にできないのは妊娠と出産だけだ」まさかの下ネタも…“厳格な名将”の意外な素顔「夫人の介護に励みながら台所に立ち…」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

「冷徹で、厳格な監督」として知られる広岡達朗(写真は2013年)。取材者が感じた、その“意外な素顔”とは

「私にできないのは妊娠と出産だけだ」

 数年が経過していく。広岡は夫人の介護に励みながら取材を受けてくれた。病身の妻に代わってスーパーまで買い物に行き、台所に立つこともあったという。

「広岡さんは買い物も料理もできるのですか?」

 そう尋ねると、「当然だよ」と自慢気に言った。

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「広岡さんは何でもできるんですね」

 このときの彼の返答が忘れられない。

「私にできないのは妊娠と出産だけだ」

 受話器の向こうの得意満面な表情が容易に想像できた。ときおり広岡は、大真面目な口調でこうした冗談を口にした。いわゆる下ネタが飛び出すこともあった。「クールで厳格な知将」というパブリックイメージ通りの印象を持っていた私は、そのたびに面食らったものだが、気がつけば、そんな広岡に魅了され、彼へのインタビューに夢中になっていた。

 しかし、ある頃から少しずつ事態が変化していく。最初の兆候は耳が遠くなったことだった。

続く

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#2に続く
名将・広岡達朗の“異変”「90歳を超え、最愛の妻を亡くし…」取材者が痛感した“老いという現実”「広岡さんの“心のスイッチ”は押せるのか?」

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#広岡達朗
#東京ヤクルトスワローズ

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