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長谷川穂積が那須川天心にエール「世界王者になれる逸材なのは間違いない」敗北から何を学ぶべきか?「センスがあるがゆえに…」「再起戦はすごく大事」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byHiroaki Finito Yamaguchi

posted2025/12/02 17:04

長谷川穂積が那須川天心にエール「世界王者になれる逸材なのは間違いない」敗北から何を学ぶべきか?「センスがあるがゆえに…」「再起戦はすごく大事」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

プロボクシングで初めての敗北を喫した那須川天心。それでも長谷川穂積氏は「世界王者になれる」「再起戦を楽しみにしたい」とエールを送る

那須川天心の課題「センスがあるがゆえに…」

 復活を遂げ、団体間統一戦など希望を広げた拓真に対し、那須川は悔やんでも悔やみきれない敗北となった。とはいえ決して評価を落とすような、恥ずかしい負け方ではなかった。試合を見ただれもがそう感じたのではないだろうか。

「負けたことは悪いことではありません。わずか8戦目というキャリアで、あの拓真選手とあそこまでの勝負を演じました。素直に立派だと思います。もちろん本人はすごく悔しいとは思いますけど、1回負けただけですから。大事なのは負けたあとにどう考えるかです。拓真選手だって負けから学んで、今回の勝利につなげたわけです。そういう意味では今回、那須川選手は成長のきっかけをもらったと言えます。賢い選手なので、今回の負けから学び、今後に生かしていくことになるでしょう」

 では那須川は今回の負けから何を学べばいいのだろうか。拓真との「キャリアの差」をどう埋め、今後につなげていけばいいのだろうか。

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「天心選手はセンスがある。みんなそう言うし、私もそう思います。ただし、センスがあるがゆえに、そこに頼りすぎてしまうのは危険だと思います。今後は細かいボクシングの技術を地道に覚えていく必要があるでしょう。12ラウンドの攻防ではどうしても避けられない接近戦、タイミングをずらした意外性のあるパンチ、さまざまなコンビネーションも身につけなければなりません。レベルの高い相手になれば老獪なテクニック、場合によってはダーティーな技術を駆使する選手もいます。そういった局面にも対応できるようにしたいです」

「世界王者になれる逸材であることは間違いない」

 ボクシングに転向し、本格的にこの競技を学んで2年半。那須川は猛スピードで学習し、飛躍的な成長を遂げた。だからこそ拓真とあれだけの試合ができた。それでもなお学ぶべきことはまだたくさんあるというのが長谷川さんの考えだ。

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