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長谷川穂積が那須川天心にエール「世界王者になれる逸材なのは間違いない」敗北から何を学ぶべきか?「センスがあるがゆえに…」「再起戦はすごく大事」
posted2025/12/02 17:04
プロボクシングで初めての敗北を喫した那須川天心。それでも長谷川穂積氏は「世界王者になれる」「再起戦を楽しみにしたい」とエールを送る
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Hiroaki Finito Yamaguchi
「負けたことのある人間の覚悟が上回った」
両雄がフルラウンドを戦い抜いたWBCバンタム級王座決定戦のスコアは116-112が2人に117-111が1人。文句なしの判定勝ちを収めた拓真の強さを、長谷川さんはあらためて評価する。
「記者会見や計量、試合前の表情を見ても今回の拓真選手からは強い覚悟が伝わってきました。まるで武士のようだと感じました。天心選手もいい表情をしていましたけど、こちらは『負けるわけがない』という自信のように思えました。拓真選手は負けたことがあり、天心選手は負けたことがない。今回は負けたことのある人間の覚悟が上回ったように感じました」
拓真は昨年10月、WBA王座の防衛戦で堤聖也(角海老宝石)にいいところなく敗れた。これが天心の勝利を予想する人の根拠にもなったのだが、今回の拓真は堤戦とは別人のようだった。
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「前回は集中力が少し足りませんでしたけど、今回は違いました。9回KO勝ちした昨年2月のジェルウィン・アンカハス戦もそうでしたけど、強い選手と拳を交えるときの拓真選手はやっぱり強いですね。今回も注目の天心選手が相手ということがプラスに働いたと思います」
集中力の高さはディフェンスを見ても分かったという。
「拓真選手はこれまでにダウンもしてますし、ディフェンスがめちゃめちゃ上手いというイメージはなかった。でも、この日のように集中しているとやっぱり上手いです。打ったあとの頭の抜き方、ロープ際での頭の振り方、サイドへのまわり方。まったく隙を見せませんでした。拓真選手には今後もこういう強い相手と対戦してもらいたい。今回の出来であれば堤(聖也)選手へのリベンジも十分に可能だと感じました」

