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「メンタルめちゃくちゃでした」楽天入り決断の前田健太「戦力外通告、マイナー契約、球速低下…」“感覚派右腕”がどん底から掴んだ再起の核心 

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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posted2025/11/28 06:00

「メンタルめちゃくちゃでした」楽天入り決断の前田健太「戦力外通告、マイナー契約、球速低下…」“感覚派右腕”がどん底から掴んだ再起の核心<Number Web> photograph by Yuki Yamada

来シーズン楽天でプレーすることを選んだ前田健太

掴んだ復活への手応え

 “感覚の再起動”は復活の核心だった。6月は月間防御率3.18と復調。8月にはメジャー昇格の可能性が高まると見込み、カブスとの契約をオプトアウト(途中契約破棄)した。ヤンキース傘下3Aスクラントンでは9月の月間防御率が2.66だった。

 9月3日、ウースター(レッドソックス3A)戦では8回2死までノーヒット投球。ソロ本塁打を打たれて降板したが、復活したマエケンのハイライトシーンだった。スクラントンのカサディエゴ投手コーチは「実際には、メジャーで投げられる投手に戻っている。ただ、メジャー40人枠の契約ではなかっただけ」と評価していた。

 実際、ヤンキースの関係者に前田を獲得した理由などについてメールで取材すると高評価していた経緯を明かした。ヤンキースは5月にタイガースからDFAされた時点でもオファーしていた。

噛み合い出した「感覚」と「数値」

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「私たちは一連の過程を通じて前田の獲得に関心を持っており、5月にカブスと契約する前から、チームの層を厚くできる点、そして非常に立派なキャリアで積み上げてきた実績を踏まえて獲得を検討していました。表面的な成績は良くなかったものの、7月に実質的な改善があったことをヤンキースの内部指標が示していました。球速が上がり、ストライク率も高くなっており、これが今後の成績向上につながると判断しました」

 前田によれば直球の平均球速は「92マイル(約148km)まで戻った。カープにいたときよりも全然、今の方が速い」という。2021年に受けた右肘のトミー・ジョン手術以降で最速となる94.4マイル(151.9km)もマークした。自身の感覚に数値も伴っていた。

 しかし、野球ファンにはまだ疑いがあるかもしれない。

「マエケンは、まだ通用するのか?」。その答えは……。〈つづく〉

#2に続く
前田健太37歳「マエケンは終わった」から復活へ〈楽天4億円移籍の舞台裏〉ダルビッシュ有に最後の挨拶「キャリア最後のチーム…全てを捧げる」

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