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ツーシームで勝負をかける益田武尚にキャッチャー再挑戦の二俣翔一…秋季キャンプで目立ったカープを救うかもしれない成長株とは

posted2025/11/24 06:00

 
ツーシームで勝負をかける益田武尚にキャッチャー再挑戦の二俣翔一…秋季キャンプで目立ったカープを救うかもしれない成長株とは<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

ツーシームを武器に4年目の飛躍を期す益田

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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 2年連続Bクラスに終わった広島にとって戦力の底上げは欠かせないが、11月21日まで宮崎県日南市で続いた秋季キャンプは例年以上に人数を絞って行われた。

 投手、野手ともにウエートトレーニングの強度を上げ、ランニングメニューも増えた。投手はブルペンで1日に200球以上の投げ込みを行う光景もよく見られた。「質と量」を求めた21日間。離脱者が3人出たことも含め、新井貴浩監督は選手たちの姿に満足感を得ていた。

「選手が個別の課題を意識しながら、個々の練習に取り組む時間も長かったと思う。今までのキャンプで一番、多くの選手の成長を感じたいいキャンプだったと思います」

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 投手陣で名前が挙がったうちのひとりが3年目の益田武尚だった。13日まで視察していた黒田博樹球団アドバイザーも名前を挙げて評価していた。150km超の真っすぐは力強く、ブルペンでの姿に誰もが期待を膨らます。キャンプの時期に益田が評価されるのは珍しいことではないが、試合になると発揮できず、過去3年間で通算22試合の登板にとどまっている

一軍の投手に必要なもの

 完璧主義でマイナス思考な性格がマウンドでのパフォーマンスに影響した。また、ブルペン映えする投球スタイルを追い求めすぎることも足かせとなった。

「プロ1年目にオープン戦で無失点に抑えても一軍に残れなかったことで、結果だけではいけないんだと思った。思い切り腕を振って真っすぐでファウルを取って、最後は空振りを取って三振を奪わないと一軍に上がれないという思考になっていた。一軍で島内(颯太郎)さんとともに戦うなら、島内さんと同じように抑えないといけないと考えてしまっていた」

 2023年に最優秀中継ぎ投手となったセットアッパーの島内のように、真っすぐで押し、真っすぐで空振りを取れる姿を追い求めすぎた。結果、空回りする面もあった。

 今秋、評価を上げたのは、うなりを上げる真っすぐではなく、ベース板近くで鋭く曲がる速球。ツーシームだった。

【次ページ】 捕手への再挑戦

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