「僕のひと目惚れでした」五輪金メダリスト松山恭助28歳が叶えた“まるで映画”な国際結婚…パリで出会い、エジプトで急接近、香港で小籠包デート 

　二人きりの楽しい時間。後の交際へとつながる運命を演出するかのように周囲には誰もいなかった。だが、それが逆に仲間たちの目を引いた。試合の準備をしようと仲間のもとへ帰ると、松山とアレクサンドラさんが話す写真を見せられ、からかわれた。

「いやいや、まだ話をしていただけだから何もないしって（笑）。もしあのタイミングを逃しても、その後も会う機会はあったと思います。でもあの時、話せたのはすごくよかったですね」

　エジプトでの遭遇を機に、二人の距離は一気に縮まっていく。

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　その後も国際大会で会うたびに会話を重ね、初デートは5月の上海での大会に向けて合宿をしていた香港だ。互いの休みが重なった日に二人で街へ出かけ、観光スポットを回り小籠包を食べた。一方的ではなく、好意を寄せあっていることも感じていたので、当然、二人きりになれば「付き合う」「付き合わない」という具体的な話に進むのは当然の流れ。アレクサンドラさんから切り出した。

「私のこと、どう思ってる？」

　松山にもすぐにでも応えたい気持ちはあったが、2カ月後にはオリンピックがやってくる。しかも、金メダルをかけて臨む戦いだ。

「ごめん、今はオリンピックに向けて少しナーバスになっているから、終わるまで待っていてほしい」

　松山の素直な言葉に、同じ競技者としての気持ちもわかるアレクサンドラさんは応えた。

「わかった。待ってる」

金メダルを持ってポーランドへ

　2024年8月4日。松山は男子フルーレ団体で悲願の金メダルを手にした。キャプテンとしてチームをまとめてきただけでなく、東京五輪、さらにはパリ五輪個人戦での悔しさを見事に晴らした。

　取材やスポンサーへの挨拶などさまざまな活動を終え、ようやく時間ができた8月後半、松山は金メダルを持ってポーランドへ飛んだ。

「僕とお付き合いしてくれますか？」

　答えはもちろん「イエス」。日本とポーランドの遠距離交際がスタートした。だが、恋人同士として過ごした時間は長くはない。夫婦として生きる――二人の決断は早かった。

　交際スタートから1年後、松山がアレクサンドラさんにプロポーズしたのは海の上だった。〈第2回に続く〉

#2に続く

「ごめん、指輪がないんだ」ポーランド人の妻についた“小さな嘘”…フェンシング松山恭助28歳が準備した最高のプロポーズ「彼女の家族に代わって守っていく」

#3

妻はポーランド代表「オラちゃんって呼んでます」フェンシング松山恭助28歳が明かす“幸せすぎる新婚生活”「餃子に似たピエロギがおいしい」

#2

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#1

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