リングでの大量出血にレフェリーが「バケツ3杯までなら大丈夫」…デビュー40周年の“暴走女王”が振り返る「本当にあった」衝撃の全女伝説 

　ちなみにその試合では“極悪女王”ことダンプ松本も乱入。お決まりの凶器のフォークでも攻撃された。

「もちろん額からは出血するし、ゴルフクラブの傷で頬からも出血するしで、顔中血だらけ。なのに試合後は医者からもらった消毒液と絆創膏を貼るだけで、あとは自然治癒に任せて治して。ホントこの日は、自分でも無茶苦茶な1日だったと思います」

　それでも堀田は激闘の結果、見事タイトルマッチに勝利。新チャンピオンになることができた。

新人時代にタッグを組んでいた堀田祐美子（左）と宇野久子（現・北斗晶）　©東京スポーツ新聞社

衝撃の「バケツ3杯までなら大丈夫」

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　また、堀田は流血の話になると思い出すエピソードがある。

「なにかの試合の場外乱闘中だったんですけど、なぜかお客さんが選手に向かってパイプ椅子を投げてきて。それがたまたま自分に当たって、大出血に見舞われたことがあったんです。　

　人間って太い血管を切ってしまうと、本当にドクドクという感じで勢いよく血が噴き出すんですよ。リング上が比喩じゃなく血の海になっていくので、思わずレフェリーに向かって『こ、怖い……』と伝えたんですけど、まさかの言葉が返ってきて」

　レフェリーは「バケツ3杯までなら大丈夫」と口にしたのだ。

　思わず堀田が「今、何杯？」と問いただすと、「まだ1杯だから大丈夫」というまったく根拠のない言葉が返ってきたという。

「それでもその時はなぜか、妙に納得してしまって（笑）。当時のプロレス界って本当に、非日常の世界だったんだなぁと」

　そんな波乱もありながら、上述のようにデビュー2年目の若手である堀田と北斗は世界タッグ王者に登り詰めてしまった。それもあり堀田はその少し前から先輩の風当たりが強くなってきたことも感じていた。

　2人が会社側から「期待の若手」として目をかけられ始めたことが、先輩にとっては面白くなかったのだ。

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