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リングでの大量出血にレフェリーが「バケツ3杯までなら大丈夫」…デビュー40周年の“暴走女王”が振り返る「本当にあった」衝撃の全女伝説
posted2025/11/08 11:00
今年でデビュー40周年を迎えた堀田祐美子。全盛期の全女をはじめ女子プロレス界を生き抜いてきたレジェンドの記憶に残るエピソードとは?
text by

“Show”大谷泰顕“Show”Yasuyuki Ohtani
photograph by
Shiro Miyake
リングという四角いジャングルにおいて、勝利を掴み取るために、心身を鍛え“超人追求”を怠らない。それがプロレスラーのあるべき姿である。
彼ら、彼女たちは、どんな時に「生きるか死ぬか」に遭遇するのか――?
今年でデビュー40周年を迎えた“暴走女王”堀田祐美子の人生には、生死の狭間を感じた恐怖体験がいくつもあったという。
長与千種の付き人時代に起きた“大事件”
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堀田が40年前に入門した全日本女子プロレスは、年間300日は大会を開催し、人気のある選手だと1年で休みが3日しかないという「ブラック中のブラック企業」だった。当然、現在の常識とは大きくかけ離れた世界だった。
「私がこの世界に入って最初に死にかけたのは、全然リングとは関係ないところでした(笑)。入団して2年目頃にクラッシュ・ギャルズとして人気絶頂にあった頃の長与千種さんの付き人をしていた時のことなんですが、当時は連日のように長与さん目当てで出待ちのファンが押し寄せて来ていたんです。そんな中でファンサービスの一環で、長与さんがファンとの交流をする場面があって」
日付は1987年4月15日、時間帯は昼のことだった。
「ちょうどその頃、長与さんはゴルフを習い始めていたこともあり、その日は駐車場でパターゴルフのマットでパターを披露することになりました。ところが、その時にそこにあったのは、なぜかパターではなくドライバーのゴルフクラブ。
不思議でしたけどそのまま長与さんはボールを何回か芝の穴に入れたあと、近くにいた私にドライバーを渡してその場から離れた。私は後輩にそのクラブを渡して、長与さんの後を追いかけようとしたんです」

