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未払い金1500万円、持っていたロレックスは質に…全女の人気レスラーが陥った金欠地獄「金銭面が不安定だと精神も…」引きこもり脱却のきっかけは?

posted2025/11/08 11:01

 
未払い金1500万円、持っていたロレックスは質に…全女の人気レスラーが陥った金欠地獄「金銭面が不安定だと精神も…」引きこもり脱却のきっかけは?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

全女を退団し新団体「A to Z」を立ち上げたころの堀田。新団体は軌道に乗らず、多額の借金を抱えることになる

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“Show”大谷泰顕

“Show”大谷泰顕“Show”Yasuyuki Ohtani

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 全日本女子プロレスのすべてを知り、現在も現役プロレスラーとしてリングに立ち続ける堀田祐美子。40年間のレスラー人生の中では、様々な「生きるか死ぬか」の体験があったという。「暴走女王」が振り返る、衝撃エピソードの数々とは?《NumberWebインタビュー全3回の2回目/つづきを読む》

 “暴走女王”堀田祐美子の経験した生死の間をまたいだエピソードには枚挙にいとまがない。実はそれはリング上のみならず、リング下でも襲ってくる。常在戦場とはプロレスラーのためにある言葉なのかもしれない。

 1990年代の後半頃から、全女では選手へのギャラの遅配がはじまった。

 そんな経営状態の悪化もあり、徐々に看板選手が離脱し、それぞれの道を模索するようになっていた。堀田も最後の最後まで全女の再興を夢見ていたが、それは叶わず2003年5月、18年間所属した全女を退団した。

新団体を設立も…3年で解散→莫大な借金

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 その際には会社からの未払金は約1500万円ほどになっていたという。だが、「後ろばかりを見てはいられない」と、7月には新団体「A to Z」を立ち上げた。

 当初、堀田の目的は「新団体を軌道に乗せ、全女の選手たちを救う」というものだった。だが、結果的にはわずか3年で解散という残念な結果になってしまう。と同時に、莫大な金額の借金をすることになった。

 この頃、堀田は「生きた心地のしない」生活を送っていた。

「もちろん私の給料なんてまったく出ない。でも、選手の分だけはなんとか確保してほしいとオーナーに頼み込んだりして。給料が足りない分は、お金に還元できるような高価な私物を全部売って。当時は2本持っていたロレックスのデイトナもその時に手放してさ。私の人生上、金銭的に一番苦しい思いをしたのがA to Zの頃だった」

【次ページ】 「堀田はお酒を飲んで試合を…」減っていくオファー

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