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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「なぜ我々は佐々木麟太郎を1位指名したのか」DeNA編成部長がドラフト翌日に語った真意「彼には1位がふさわしい」「一本釣りは考えなかった」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byYuki Suenaga
posted2025/10/27 11:05
1巡目でスタンフォード大・佐々木麟太郎を指名し、抽選に臨む相川亮二新監督。DeNA編成部長が自ら、驚きの指名の真意を語った
DeNAの1位指名で佐々木の名がコールされたときの衝撃はこの日一番のものだった。高校時代に140本塁打を放った超大型スラッガー。その実力は、言うまでもなくトップクラスだ。例によって、DeNAの1位指名はドラフト当日に決まった。長谷川氏は言葉を選ぶように次のような話をしてくれた。
球界全体を考え、1位にふさわしい選手
「まず佐々木選手だけではなく、これはドラフト候補すべての選手にいえることなのですが、球団、そして我々スカウト陣は『始まりから、終わりまで』という理念のもと活動していて、学生時代から選手生活が終わるまで、その選手を見つづけようと考えています。
佐々木選手も高校時代はもちろん、大学入学前のサマーリーグ、大学のリーグ戦、今夏のサマーリーグと、常にその成長を見守ってきました。野球の能力は当然のことですが、彼の考えや人間的な部分も我々なりに理解させてもらった上で、佐々木選手のこれからの野球人生はもちろん、日本球界、ひいては世界の野球界のことを考え、ドラフト1位にふさわしいという思いに至り、最後は信じて指名させてもらいました。1位指名させてもらうことが、彼の今後の人生にとってよいことなのか、数カ月間悩み悩みつづけた上での決断でした」
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MLBを視野に入れていると考えられ、また交渉時期が限られるなどリスクのある指名。神妙な表情のまま長谷川氏はつづける。
彼にとっていい選択肢を提示できる
「もちろん佐々木選手の選択を尊重するのが大前提なのですが、我々としてもいろいろな事情を考慮した上で精査しましたし、実際わたしも現地に足を運び視察や調査をさせてもらいました。それ以外にもいろいろな情報を得た上で、交渉権を獲得すれば来てくれるのではないかと信じて指名をしました。
入団後のプランも含め、彼にとっていい選択肢を提示できると思いましたし、我々なりに彼の人生について考え抜いた上での指名だったことを理解してもらえれば、良好なコミュニケーションがとれるはずだと考えていました」

