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「ちゃんとできるじゃん、こいつら」箱根駅伝予選会で過去最高成績…バラバラだった理系大学チームの変化「逃げたり、言い訳するヤツがいなくなった」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/10/22 17:00
箱根駅伝予選会で過去最高の18位を記録した芝浦工大。4月からチームを指導する徳本一善監督が進めてきた変革の成果とは?
予選通過を果たした10位の立教大(10時間36分56秒)とは12分11秒の差があり、ひとり約1分13秒もタイムを縮めないと越えられない。この数字は非常に厳しいが、チームに来年エースが生まれ、何かのきっかけで選手たちが一気に成長した場合、15位以内は現実的なターゲットになるだろう。
簡単ではないが、2年間あれば……
「今回の予選を見ていると、予選会を戦うには、留学生がいない場合、100番内に4人、150番内に5人、200番台はいてもひとりぐらいじゃないとしんどいなと思います。箱根で戦うにしてもチームとして10時間32分、33分が必要だよねという認識ができてきたので、簡単じゃないけど、2年間あればそこまで上がるかなっていう気がしています。
さいわい、来年来てくれる1年生は、『めちゃくちゃ厳しいよ』と言った上で来てくれる子たちなので、素直にチームに染まっていくと思うんです。あとは、今の3年生にその覚悟ができるかどうかがかなり重要ですね」(徳本監督)
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予選会が終わり、チームとして箱根を走ることはできなくなったが、個人としてはまだ可能性が残されている。関東学生連合の選考が予選会11位~20位の大学から各1名(計10名)、総合21位以下の大学から個人成績上位者を6名(各校1名)になり、すでに過去1回出走している選手も選考の対象になった。11月、12月の記録会が学生連合の選考を兼ねたレースになる予定なので、内山はそこで10000m、28分30秒を切ることを目標にして箱根を走りたいと言う。
「もし走れるなら芝浦工大に注目してもらいたいので、箱根では1区を走り、多くの人に知ってもらえるきっかけになればと思っています」
これからやるぞっていうチームになってきた
内山は、横尾とともに卒業後も実業団で競技を継続していく予定だ。そういう選手が今後、多数輩出されていけば、チームは必然的に強くなる。
「これからやるぞっていうチームになってきているので、楽しみですよ」
そう笑みを見せる徳本監督の表情の裏には、「まぁ今に見てろよ」という決意と覚悟が垣間見えた。

