「ちゃんとできるじゃん、こいつら」箱根駅伝予選会で過去最高成績…バラバラだった理系大学チームの変化「逃げたり、言い訳するヤツがいなくなった」 

「自分と横尾は、二桁の順位を目指していました。15キロまでは余裕を持っていけたんですが、他大学もためていましたし、（昭和記念）公園内の起伏で上がりきれなくて、かなり抜かれてしまいました。お互いに納得がいく結果ではなかったんですけど、ワンツーフィニッシュできたので最低限の仕事ができたのかなと思います」

エースの内山（4年）は63分55秒の105位で惜しくも二桁順位に届かず　©Yuki Suenaga

　横尾も同様に、表情に悔しさを滲ませた。

「17キロを越えて他大学に抜かれてしまって、そこから上げることができなかったです。自分と内山がもう少し速ければ、もうひとつ順位を上げられたかなと思うので、そこは悔しいですね。ただチームはみんな頑張って、120%は出せなかったけど、80〜90%で18番が取れたので、これからさらに頑張っていけば、来年15番以内は実現できると思います」

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　その手応えを感じられたのは、順位以上に大きな収穫だった。

キャプテン横尾（4年）も来年は15位以内を目指せる手応えを感じたという　©Yuki Suenaga

新監督就任で反発する選手や退部する選手も

　徳本監督が就任した春から、チームは大きく揺れた。

　箱根駅伝を狙うチームとして、選手に自覚と覚悟を求めた。一切の妥協を排除し、生活面や競技面まで箱根に行くために厳しさを求めた。その過程で反発する選手、退部する選手も出た。

　徳本監督は、意識付けの年だったと語る。

「今は逃げたり、言い訳したりするヤツはいなくなりました。それでも覚悟の部分と行動の部分を積み重ねていくマインドを理解させることに、3〜4カ月使った。チーム全体にその意識が浸透するには、まだもうちょいかかるかな。でも、今回18番で来てくれたので、選手はよく頑張ってくれたなと思います」

　横尾は、チームが前向きに変化したのは夏合宿だったと言う。

「1次合宿を駿河台大と一緒にやらせてもらったんです。箱根を目指して出場したチームですし、予選会で10位圏内を目指すチームはこのくらいやるんだ、というのを認識できたところで、みんなの気持ちの部分と練習での姿勢がガラッと変わりました」

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