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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「負けたら終わりの大一番」の潔さでいいのか? CS完敗で“崖っぷち”のソフトバンクは強さの根源「王イズム」のメンバー固定にこだわるべきか
posted2025/10/20 11:04
今季パ・リーグ唯一の3割を打って初の首位打者となったソフトバンク・牧原だが、今シリーズでは15打席で無安打
text by

喜瀬雅則Masanori Kise
photograph by
Hideki Sugiyama
敵地にもかかわらず、躍動感たっぷりの日本ハムとは対照的に、3連敗という最悪の結果のせいで、そう見えるのだろうか。ソフトバンクから、どことなく、執念や気概のようなものが、どうも伝わってこないのだ。
主砲の活躍で一気に王手をかけたが…
2連勝スタートで、CS突破に王手。2戦目、均衡を破る柳田悠岐の3ランが飛び出した8回、ドーム全体に驚嘆の空気が漂った。
さすが、柳田。打つべき人が打って、日本シリーズ進出へ王手。もう、この勢いなら一気に決まる。おそらく、あのときのドームにいた人には、その“熱”が伝わったと思う。
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なのに、だ。
3戦目は零封負け。4戦目は逆転負け。
そして5戦目、打順を大幅に入れ替えた。4番には柳田、2試合ぶりスタメンの山川穂高は7番、CSファイナル3試合で12打席無安打の牧原大成も、2試合ぶりスタメンで9番。しかし、その新打線も機能しない。
台湾出身の右腕・古林睿煬が、最速157キロの内角ストレートで、柳田から空振り三振を奪ったのは初回。続く2回も、山川から140キロのカットボールで空振り三振。身長1メートル84と、角度のあるストレートに加えて、120キロ台の大きなカーブを交えられては、的を絞れない。
いいところなく中盤で勝負を決められる
古林が降板した4回2死まで、わずか2安打に封じ込められた。4回、日本ハムに3点を先制されると、5回には6番・田宮裕涼のスクイズなどで3点を追加され、6回には1死三塁から、一塁・山川がまず一ゴロを落とし、さらにベースカバーの投手・松本晴へ悪送球のダブルエラーで7点目を奪われ、試合の行方は中盤で決まってしまった。
7回、山川の1号ソロが飛び出したが、得点はこの1点だけ。
それこそ、全くいいところのないままの完敗を喫し、これで今シリーズは3勝3敗。王手をかけてから3連敗だ。アドバンテージの1勝を除けば、この5試合でソフトバンクは日本ハムに負け越していることになる。

