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ドジャース佐々木朗希「配置転換はむしろこの時期で良かった」元メジャー右腕が解説“リリーフの準備”日米の違い…肩の作り方や連投「即適応できた理由」
posted2025/10/12 11:05
リリーフとして大車輪の活躍を見せる佐々木朗希。チームメートからの信頼は日に日に高まっている
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五十嵐亮太Ryota Igarashi
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Getty Images
ドジャースがフィリーズとの地区シリーズ第4戦をサヨナラ勝ちで制して突破を決めた。劇的展開の立役者となったのが、1−1同点の8回から登板し3イニングを完璧に抑えた佐々木朗希投手だ。ポストシーズンでブルペン陣の切り札として覚醒した右腕の凄みと、リリーフとしての適性を、元メジャーリーガーで野球解説者の五十嵐亮太氏が解説した。
第4戦の佐々木投手は圧巻のピッチングを見せました。2番のカイル・シュワバーから始まるフィリーズの上位打線を相手に、最速100.7マイル(約162km)のストレートと落差の大きいフォークボールで完璧に抑え込み、3イニングをパーフェクトピッチ。ストライク率79%とストライクゾーンの中でしっかりと勝負しており、佐々木投手自身も登板を経るごとに自信を深めていることが伝わってきました。
球種はほぼ2種類…それでも打者は捉えられない
リリーフの抜てきを受けてから、投げている球種はほぼ直球とフォークの2種類で、カットボールを数球交える程度。バッターからすればたった2つの球種のうち、50%の確率で絞り込んで打ちに行けばいいのですが、それでも捉えきれないというのは、その2つがいずれもズバ抜けて質が高いことの証左です。直球のスピン量が多く、効果的な角度で投げ込まれていること。さらに、想像以上にフォークボールの落差があるので、打者がそこを意識すると真っ直ぐもより捉えにくくなっているのでしょう。
佐々木投手がリリーフで初めて登板したのは、約2週間前の9月25日のダイヤモンドバックス戦。以降、リリーフとして6試合に登板して未だに無失点に抑えています。100マイルを連発する直球がある彼には、元々リリーフの適性があるとも言えますが、私は配置転換したのがこのタイミングだったというのも非常に良かったのではないかと思っています。

