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「ダメな所は見せられないな…」“元アクトレス勢”が変えた評価…“戦う女優”青野未来がマリーゴールドで輝く理由「この1年半は、すごく濃い時間」
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/10/08 17:02
『DREAM STAR GP』優勝を果たしたマリーゴールドの青野未来。10月26日の両国国技館で林下詩美のワールド王座に挑む
大役を終えた青野は、自分の引退について考えたのだろうか?
「奈七永さんの引退は重みが違うから、その時は思いませんでした。でもここの所、本間多恵さんや長谷川美子というかかわりが深い人が辞めていくので、なんとなく考えちゃいますね。正直ここまでやっていると思わなかったですから。プロレス9年目、結構元気なんです。試合の後、痛いなあと思っても、何日かで痛くなくなる。辞め時って難しい。どんどん夢が広がるから。プロレスが楽しいです。デビューして3、4年してからプロレスに楽しさを感じるようになりました。本当に辞めようと思ったのは一度だけです」
「最初は断ったんです」プロレスとの出会い
この日はランチをしながらの取材だった。ちょうど炊きあがってきた魚介のパエリアを、青野はスマートフォンに収めた。
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「お酒ですか? ほどほどに飲みます(笑)。赤ワインが好き。焼酎も好きです。なんでも飲みますよ。外飲みが多いです。一人では飲まない。試合の後、ビールを1本飲みたくなることはありますけど。ビールはホワイトビールが好きですね。ヒューガルデンとか。役者の世界では飲む機会がありましたが、女子だけの舞台だとそんなになかったです」
プロレスとの出会いは唐突にやってきた。
「女優がプロレスをやっているアクトレスガールズには誘われて入ることになるんですが、最初は断ったんです。それでも話を聞きに行って『やってみてからやめればいいか』と思った。女優としての武器がなかったから、プロレスという武器を思い浮かべた。子供のころから好奇心旺盛。私は好奇心だけで生きてきましたから。今の方がもっと好奇心があります」
「初めてのものに、やりたくないことはない。やってみたくないことがない。仕事でやらなきゃいけなかったダンス。これは子供の頃、やってみたら全然向いていなかった(笑)。うまく覚えられない。でも、なんかダンスする機会が多くて、恰好よく踊れなかった。前の団体ではオープニングで踊っていたけれど、得意じゃないです」
なんでもやってみようというその精神が、結果的に青野をマリーゴールドへと導いたのかもしれない。
「私はチャレンジャー。前回UNは王座決定戦でも決勝に行くまでが大変でした。MIRAIとは何回も戦った。一番のライバルでした」
そのMIRAIは10月13日の後楽園ホール大会を最後に、マリーゴールドを退団してしまう。
「率直にさみしいですね。これからもやれると思っていたから」



