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衰えたとしても…田中将大の日米200勝は“最後の偉業”かもしれない「大谷翔平81勝、山本由伸89勝、菅野智之146勝、前田健太でも165勝」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/10/08 17:00

衰えたとしても…田中将大の日米200勝は“最後の偉業”かもしれない「大谷翔平81勝、山本由伸89勝、菅野智之146勝、前田健太でも165勝」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

日米通算200勝を達成した田中将大

〈日本人投手の日米通算勝利3傑と田中・前田健太の勝利数〉
ダルビッシュ有208勝 (2005-)
NPB167試93勝38敗1268.1回 率1.99
MLB297試115勝93敗1778回 率3.65

黒田博樹203勝 (1997-2016)
NPB321試124勝105敗2021.2回 率3.55
MLB212試79勝79敗1319回 率3.45

野茂英雄201勝 (1990-2008)
NPB139試78勝46敗1051.1回 率3.15
MLB323試123勝109敗1976.1回 率4.24

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田中将大200勝 (2007-)
NPB258試122勝72敗1823回 率2.73
MLB174試78勝46敗1054.1回 率3.74

前田健太165勝 (2007-)
NPB218試97勝67敗1509.2回 率2.39
MLB226試68勝56敗986.2回 率4.20

 田中は史上4人目の日米通算200勝を挙げた。現役のダルビッシュがトップだが、いずれも日米でエースの名をほしいままにした投手たちだといえる。黒田と野茂は日本の野球殿堂入りしたが、ダルビッシュと田中もほぼ確実だろう。

菅野146勝、由伸89勝、大谷81勝という事実

 ただ、現役でこれに次ぐのは田中の同世代の前田の165勝。今季はタイガースで投げるも0勝に終わり、後半はマイナー暮らし。日本球界への復帰を希望しているが、残り35勝は厳しそうだ。さらに現役では、このような勝利数となる。

オリオールズ菅野智之=146勝(NPB136勝、MLB10勝)
エンゼルス菊池雄星=121勝(NPB73勝MLB48勝)
メッツ千賀滉大=107勝(NPB87勝、MLB20勝)
ドジャース山本由伸=89勝(NPB70勝MLB19勝)
カブス今永昇太=88勝(NPB64勝MLB24勝)
ドジャース大谷翔平=81勝(NPB42勝MLB39勝)

 ドジャースのエースとして輝き始めた山本由伸に期待がかかるが、200勝への道は遠そうだ。

NPB単独の200勝も08年の山本昌が最後

 日米通算ではなく、NPB単独の200勝も、45歳ながら現役続行を表明したヤクルト石川雅規が188勝(今季2勝)、40歳の楽天・岸孝之が170勝(今季6勝)。しかしともに40代であり現実的に200の大台を突破するのは厳しそうだ。NPB単独での200勝は、2008年に中日の山本昌が記録したのが最後。日米通算も、今回の田中将大のあとは、しばらく出てこないのではないか。

 MLBでは、ジャイアンツのバーランダー(42歳266勝)、ドジャースのカーショウ(37歳223勝)、ブルージェイズのシャーザー(40歳221勝)といるが、カーショウが今季での引退を表明。これに続くのは34歳のヤンキース、ゲリット・コールの153勝であり、現役続行の2人が40代であることを考えても、近い将来、現役200勝投手不在の時代がやってくる可能性が高そうだ。

 投手の分業が細分化し、ローテーション投手も多くなるなかで「200勝」は日米ともに現実的な目標ではなくなりつつある。それを考えても田中将大の「日米通算200勝」は歴史的な大記録だといえよう。〈プロ野球特集:つづく〉

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