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巨人・田中将大36歳に斎藤佑樹の本音…駒大苫小牧と早稲田実業“あの決勝メンバー”が明かした「マー君は世代のスター」「将大が投げる試合は観る」
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柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byMasaki Fujioka
posted2025/10/01 11:03
2006年夏の甲子園決勝で戦った斎藤佑樹(早稲田実業)と本間篤史(駒大苫小牧)
「将大の200勝に関しては……テレビを通じてしっかり観て、応援しているんですけど、あと1勝なので、今は余計なことを言いたくない。将大は88年世代の顔だと思っています。200勝といわず、いけるところまでいってほしい。そして何年後かにエースが引退したら、甲子園でもう一度、あの日のメンバーが集まって、試合をしたい。次は1年ぐらい前から練習して、早実に勝ちたいですね」
早実と駒大苫小牧の誰もが田中の200勝を願う。
「社会人になってからも、高校時代にマー君から打った(3安打)というのはひとつのステータスになっているし、みんながもてはやしてくれる。誇りなんです」(早実・川西)
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「将大が投げる試合は気にして観るようにしています。将大に対して今、良い声もあれば悪い声もある。高校時代はスライダーとカーブ、チェンジアップを投げていましたが、プロに入ってしばらくするとフォークも投げるようになっていた。高校時代に受けていたピッチャーが、スタイルチェンジしながら37歳までプロとしてやれているのがすごい。一昔前なら、引退しておかしくない年齢なんですから。すでに記憶に残る選手ですが、記録としても残るために、200勝を達成して欲しい」(駒大苫小牧・小林)
両校OB選手たちで記念撮影。「はらっぱスタジアム」は北海道長沼町にあり、プロジェクトの詳細はYouTubeで発信している ©Masaki Fujioka
田中の「200勝」、斎藤の「110球」
田中が200勝という節目の勝利を挙げようかというタイミングで早実と駒大苫小牧の再戦が行われたのも不思議な巡り合わせではあるだろう。斎藤は110球を投げて完投勝利を挙げるも、2つの本塁打を浴びた。
「110球投げるなんて久しぶりで、疲れました。ダイヤモンドをゆっくり走る快感を味わって欲しいと思って作ったスタジアムですけど、ピッチャーとしてホームランを打たれることがいかに悔しいかを痛感するスタジアムでもありました(笑)」
2021年の引退から4年——。37歳となり、一児の父となった斎藤は自ら作ったスジアムの天然芝の上で、嬉しそうにふたつの被弾を悔しがった。一方の田中は9月30日の中日戦で勝利投手となり、日米通算200勝を達成した。

