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井上尚弥の“エグいアッパー”でアフマダリエフの顔がグシャリ…カメラマンがとらえた決定的瞬間「もう、ダメだ…」リングサイドで見た“敗者の絶望”
posted2025/09/24 17:02
井上尚弥に完敗を喫したムロジョン・アフマダリエフ。試合前の自信は、井上のボクシングによって打ち砕かれた
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Naoki Fukuda
「もう、ダメだ…」アフマダリエフの“絶望”
「来日したアフマダリエフ選手をオフィシャルのビジュアル撮影で目にしたとき、率直に『これは頑丈だな』という印象を受けました」と福田氏。前日計量では「表情も自信にあふれていて、精神的な乱れもない。井上選手と並んでも上半身の厚みはすごかった」という。
しかし、試合が始まってみると井上の圧倒的な技術とスピードが際立った。「最小限の反応で鋭く下がる。アフマダリエフ選手がいこうとしてもスッと外される」。井上はさまざまな構えやステップを織り交ぜ、アフマダリエフを翻弄した。福田氏はこう分析する。
「常に同じ状態でいることがほとんどない。あれだけなめらかに移行されると、相手は的を絞れないだろうなと」
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5ラウンドには井上の強烈な左フックがアフマダリエフの脳を揺らした。「あの左フックで頑丈な砦がいくらか“軟化”した印象があります」と福田氏。さらに6ラウンドだった。アフマダリエフの連打をやり過ごした井上が、すぐに左ボディ3発を含む6連打を返す。
「あそこでアフマダリエフ選手の心がちょっと折れたんじゃないか、という気もします。せっかく攻めていたのに、それ以上に的確かつパワフルに打ち返されてしまいましたから」
9ラウンドには決定的瞬間が訪れる。ロープを背負った井上の正確無比なショートアッパーがカウンターでヒット。アフマダリエフの顔がグシャリとゆがむ瞬間を、福田氏は写真におさめている。「距離を詰めてもいけないし、パンチを打ってもそれ以上に返される。アフマダリエフ選手としては、次に何をしていいのかわからない。もはや手詰まり感があった」。インターバル中の青コーナーを見た福田氏は、アフマダリエフの表情から「もう、ダメだ……」という絶望を読み取った。
記事本編では、福田氏がさらに詳しく試合を分析。井上と中谷潤人による“世紀の一戦”への期待も語っている。
<続く>
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この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。
