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オリンピックPRESSBACK NUMBER
「そんなのは普通に起こること」三浦龍司は手つかみ妨害も想定内…世界陸上を席巻した23歳世代の共通点は“世界慣れ”「毎日が五輪であり、世陸」
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki (L/R)/Kiichi Matsumoto (C)
posted2025/09/21 17:04
左から三浦龍司、村竹ラシッド、中島佑気ジョセフ。東京世界陸上の中短距離種目でセンセーションを起こした3人は同世代だ
ダイヤモンドリーグは、世界の原石からメダリスト級まで多くのランナーが出場する世界トップレベルのレースで、今年は8月27日・28日のファイナルまで全15戦が開催された。
三浦は、その初戦(4月26日)で8分10秒11をマークして東京世界陸上の参加標準記録(8分15秒)を突破、7月のモナコ大会では8分03秒43で日本記録を更新し、東京、パリと五輪2連覇中のスフィアン・エル・バカリ(モロッコ)に迫るレースを見せた。
「海外に出て、得られるものはたくさんあります。レースでの経験はもちろんですが、競技はトラックの上だけではなく、現地での調整も含めて総合的な人間力でやるもの。競技でのタフさは、人間力が磨かれないとつかない。海外で得られるのは、そういう経験です。だから行く価値があるんです」
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海外遠征の意義について、三浦はそう言っていた。
「そんなのは普通に起こること」
レース結果からは、自分の立ち位置や世界との距離が明確に測れる。レースは、闘志むき出しで挑んでくる外国人選手と戦う、非常にハードなものだ。三浦もダイヤモンドリーグから帰国すると、ライバル選手に蹴られて足が傷だらけになっていたことがあったが、「そんなのは普通に起こること」と平然としていた。
今回の世界陸上の決勝でも、三浦がケニアの選手に手を掴まれたと問題になったが、海外のレースでは想定内の出来事。それを知るからこそ、三浦はレース後もそのことに言及しなかった。
そして村竹もやはり、世界を経験することの重要性を説いていた。それは——?
〈つづく〉

