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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
米国に完敗で「現実を突きつけられた」日本代表“2チーム目”と主力の差が浮き彫りに…貴重な2試合でメンバー完全入れ替えを試す必要はあったのか?
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/16 11:07
アメリカ代表に2点目を許して肩を落とす日本代表。関根(16番)や荒木(25番)は慣れないポジションで苦戦した
今から2年前の2023年9月。日本はアウェーでドイツを4−1と下す歴史的な勝利を飾ったあと、ベルギーに移動し、今回と同じ中2日でトルコ戦に臨んだ。その試合はGKも含め、先発10人を入れ替えて臨み、見事4−2の勝利を飾っている。町田浩樹、毎熊晟矢がデビューし、中村敬斗と伊藤敦樹は初先発だった。だが、そのピッチには同時に伊東純也がいて、堂安律がいて、久保建英がいて、谷口彰悟がいた。ワールドカップ出場経験のある代表の常連選手たちが要所を締めていたのだ。そして、中村敬や町田はコアメンバーへと成長していった。
一方、今回も長友、前田大然、伊東とワールドカップ経験組がいるにはいたが、サイドを得意とする伊東もシャドーで起用されるなど、いずれも本来の場所、すなわち「要所」でプレーしていなかった。
主軸を2試合で分散させてもよかったのでは?
ケガ人が多いという事情はあったにせよ、テストをより意味のあるものにするためにも、主軸をある程度適正な場所に残した上で代表キャリアの浅いメンバーを組み込む編成の方がよかったのではないだろうか。その方がチームとしての機能性も上がり、ひいてはそれぞれの選手が持ち味を発揮しやすかったのではないか。チーム設計において選手がベストを出せない状況では、得られる情報も限られてしまう。
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今回はメキシコ戦にベストチームで臨み、日本の現在地を知ることを重視したと思われるが、例えば初戦と2戦目で大幅にメンバーを入れ替えるにしても、2試合を1セットと考え、主軸をそれぞれのチームに分散させるような手もあったかもしれない。「どんな試合にも収穫と課題がある」とは他ならぬ森保監督の言葉。アメリカ戦でも当然、収穫と課題を手にしたわけだが、果たしてそれらが、このタイミングで得るべき収穫と課題だったのかどうか。
今回の遠征は「もったいなかった」……
本大会までに残された代表活動は、10月、11月、来年3月、そして大会直前の合宿の4回だけだ。時間はあるようで、ない。
だから試合から数日経った今も、開催地で開催国相手に戦った今回のテストについて、やっぱり「もったいなかった」と思ってしまう。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

