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「偏差値75の進学校卒業」「もとは官僚志望」「非体育会サークル出身」世界陸上女子マラソンで“7位入賞”…24歳新ヒロイン・小林香菜の「超異色な履歴書」
posted2025/09/14 11:28
世界陸上女子マラソンで7位に入賞した24歳の小林香菜(大塚製薬)。その異色の経歴も話題に
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Nanae Suzuki
「気づいたら伊沢(菜々花)さんの背中が見えてきて。自分がいま(ウォルケネシュ・)エデサ選手と鈴木(優花)さん、伊沢さんに次いで4位だというのは分かっていたので、『あとひとり抜けばメダルじゃん。メダルほしい!』と思ったのを覚えています」
今年1月の大阪国際女子マラソン。24km付近で4人の先頭集団から遅れた小林香菜(大塚製薬)は、冷静に状況を把握しながら懸命に前を走る選手を追っていった。30km手前で伊沢をかわすと、やがてテレビ中継バイクの向こうに日本人トップの鈴木優花の姿が見えてきた。
沿道から「いけるよ!」という声援も飛んでいたが、小林は「応援してくれる方ってポジティブな声掛けをしてくれるじゃないですか(笑)。だから現実的には追いつくなんて無理だろうなぁと思って走っていました」と語る。
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それでも徐々に差は縮まっていった。しかし「追いついても、結局突き放されるんだろうな」と思い続けていた小林の意識が変わったのは、ラスト1kmを残した地点だった。
「ちょうどそこに知り合いがいて、『鈴木さん、バテているから抜けるよ!』と声をかけてくれて」
それまでの声援とは違い、この「バテているから」という客観的な情報が初めて小林の心を動かした。そこで勝負を仕掛け、ゴールまで800mを残した競技場直前で鈴木を捉えた。小林はそのまま引き離し、2時間21分19秒の日本歴代10位の記録で日本人トップという快挙を成し遂げる。結果として、9月の東京世界陸上の代表にも選出された。
実業団で大躍進…その「超異色の経歴」とは?
実業団1年目の23歳による大躍進はファンに衝撃を与えた。なぜなら彼女は高校時代にケガで1年を棒に振り、大学ではホノルルマラソン完走を目指す「ホ完」なるサークルに所属するという、競技者としては異例の経歴の持ち主だったからだ。その異色のランナーが、どのように日本を代表する選手へと成長していったのか——その続きは、本編で描かれている。
<つづく>
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この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。
