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「東大卒の両親、兄は京大生の17歳」「藤井聡太が“詰将棋早解きで勝てない”と脱帽」難関すぎる三段リーグ突破でプロに…4人の意外な素顔
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田丸昇Noboru Tamaru
photograph byKyodo News
posted2025/09/15 06:02
(右から)山下数毅、生垣寛人、岩村凜太朗、片山史龍の4人が難関の奨励会三段リーグを突破した
1位14勝4敗 岩村凛太朗
2位13勝5敗 生垣寛人
3位13勝5敗 片山史龍
11位10勝8敗 山下数毅
藤井聡太に一目置かれる“詰将棋早解き”
10月1日付で昇段する4人の新四段の棋歴や戦績、プロフィールを紹介していこう。
【岩村凛太朗】
2006年7月31日生まれ。東京都練馬区出身。飯塚祐紀八段(56)門下。17年9月に奨励会入会。三段リーグは8期。得意戦法は阪田流向かい飛車。趣味は詰将棋創作。
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5歳のときに詰将棋の魅力に惹かれ、解答と創作を趣味として続けた。盤駒が必要ないので、歩行や乗車したときなどに頭の中で考えた。当初は師匠の影響で矢倉を指したが、ある時期から力戦型の振り飛車を用いるようになった。
目標とする棋士は佐藤康光九段(55)、藤井猛九段(54)。今年3月に行われた詰将棋解答選手権では、1位の藤井七冠に次いで2位に入った。藤井は雲の上の存在だが、「詰将棋の早解きでは岩村くんに勝てる自信はない」と言われて希望を感じたという。
また、創作詰将棋の最高栄誉である「看寿賞」では、中編部門で2回受賞している。自ら「INFJ」と称する。性格診断の1タイプで、自我を持つ理想主義者として提唱者と呼ばれる。
【生垣寛人】
2003年7月3日生まれ。兵庫県神戸市出身。井上慶太九段(61)門下。16年9月に奨励会入会。三段リーグは9期。得意戦法は四間飛車。趣味は旅行。
前回の三段リーグで、新記録の17勝1敗で1位になった齋藤優希(四段=29)を最終戦で負かした。それが運気の上昇を呼び込み、順位も上がって今回の昇段につながった。
【片山史龍】
2004年8月26日生まれ。東京都江東区出身。飯塚八段門下。15年9月に奨励会入会。三段リーグは11期。得意戦法は相掛かり。趣味はお笑い番組を観ること。
三段リーグ4期目に、通常なら四段に昇段できる14勝4敗の成績を挙げたが、15勝3敗が2人いて涙を呑んだ。さらに6期目も13勝5敗の成績ながら、同成績順位上位が2人いて昇段を逃した。そうした辛苦を経て、11期目に弟弟子の岩村と一緒に四段昇段を果たした。
両親は東大で父は数学者、兄は京大の17歳が
【山下数毅】
2008年6月3日生まれ。イギリス・ノッティンガム出身。森信雄七段(73)門下。18年9月に奨励会入会。三段リーグは6期。得意戦法は角換わり。趣味はプログラミング。

