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「まだ50代なので頑張って」羽生善治55歳“タイトル挑戦者決定戦で5連敗”もなぜ「心が折れない」か…大山康晴という存在がモチベーション
posted2026/06/15 11:01
第67期王位戦挑戦者決定戦での羽生善治九段
text by

田丸昇Noboru Tamaru
photograph by
Sankei Shimbun
伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦の挑戦者決定戦が5月28日に行われ、伊藤匠二冠(叡王・王座=23)と羽生善治九段(55)が対戦した。勝者は藤井聡太王位(竜王・名人・棋聖・棋王・王将を合わせて六冠=23)に挑戦する。伊藤が三冠を目指すか、羽生が通算タイトル100期を目指すかという大一番だ。そして大激闘の終盤で、伊藤が攻防を兼ねた絶妙手で寄せ合いを制し、藤井王位への挑戦を決めた。
羽生はタイトル戦の挑戦者決定戦で2023年から5回連続で敗れた。それでも「心が折れず」に可能性を追い求める羽生の思いについて、田丸昇九段が推し測ってみる。【棋士の肩書はいずれも当時】
王位戦、終盤で勝機があったが
第67期王位戦の挑戦者決定戦で伊藤二冠と羽生九段が対戦。本局までに対戦成績は伊藤3勝、羽生2勝。「振り駒」の結果、羽生が先手番に。持ち時間は各4時間。
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戦型は角換わりから両者が早繰り銀。羽生が先攻すると伊藤が反撃し、角を中段に打ち合う展開に進んだ。羽生は角を切って飛車が敵陣に侵入した。伊藤も角が敵陣に侵入し、その馬を捨てて飛車で先手玉に迫った。激しい寄せ合いとなった終盤の土壇場の局面で、伊藤は攻防を兼ねた絶妙手で寄せ切った。
伊藤は残り時間が2分という状況で、超難問の「次の一手」問題のような手順を実戦で指した。
羽生は終盤で勝機があったが、残り時間1分の秒読みで読み切れなかった。終局後に「難しい将棋でした」と語った。
5回連続でタイトル挑戦者決定戦で敗れた
羽生はタイトル戦の挑戦者決定戦で、2023年から5回連続で敗れる結果となった。
23年5月・王位戦 佐々木大地七段
24年7月・王座戦 永瀬拓矢九段
25年7月・王座戦 伊藤匠叡王
26年5月・棋聖戦 服部慎一郎七段
26年5月・王位戦 伊藤匠二冠
羽生の挑戦者決定戦の対戦相手は、大半がタイトル戦に登場した精鋭ばかり。ただ「羽生マジック」と呼ばれた勝負術を用いて、幾多の難局を制した全盛期の強さを知る筆者としては、大一番での5連敗は意外だ。総じて言えるのは、終盤の寄せ合いでミスが出てしまうことだと思う。

